§ TOPインタビュー

世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症で物騒な世の中。歌謡界も例外ではない。コンサートは一部地域でOKは出てはいるものの規制が厳しい。カラオケサークルへの訪問やモール施設等でのキャンペーンでCDやミュージック・テープを手売りしている演歌・歌謡曲系の歌手にとってはまさに死活問題だ。「ほとんど外に出ないで趣味の編み物をしたり、日頃あまりしない手料理を作ったりしています」とインドア派を強調するのは歌手生活20周年を迎えた永井裕子(キングレコード)。今も周年記念イベントや予定されていたコンサートはことごとく中止や延期だが、待ち遠しい再活動に向け準備中だ。そんな永井にこのほど電話インタビューした。「元気かい…」と尋ねると開口一番、「元気ですよ~!」と威勢のいい声が聞けた。デビュー20周年を迎え張り切っていただけに少々落ち込んでいるのでは、と想像していたがそんな心配は元気な声を聞いて払拭された。評判のいい新曲であり20周年記念曲でもある「そして…女」(作詞:池田充男/作曲:四方章人/編曲:南郷達也)について、これからの展開などにについて聞いた。

―歌謡界は新型コロナウイルス関連で先行きが不透明という厳しい試練を迎えていますが今の生活スタイルは?
家にいる時間が多いですね。朝は犬にエサをあげて自分のエサを食べて…(笑)。朝は必ずフルーツを食べてビタミンを補給しています。一段落したら昔から好きだった編み物をしたり犬とたわむれたり…、そんな毎日です。あ、そうそう、気が向いたら料理をしています。カレーなんか作り過ぎて2~3日食べたりしていますよ(笑)。買い物に行くのが怖いので、なるべく簡単なもので我慢しています。無駄な買い物はしないのでお金がそれほどかからないですし…ハイ!

―デビュー21年目を迎えられ感慨深いものがあると思いますが振り返っての印象等をお聞かせください
2020年6月21日から丸21年目に入ります。自分の中でこの20年間をじっくりと振り返ってみるとあっと言う間でした。19歳で歌手になってこんなに沢山の方々と出会い、そして応援して頂いたことを思うと感慨深いものがあり、いろんな事がまるで走馬灯のごとく甦ってきます。もったいないくらい色々な経験をさせて頂けました。悲しい事や悩んだ事もありましたが1つひとつの思い出や出来事が私にとっては宝物です。じっくり回想してみてもそれほど苦い思い出はなかったですし、平平凡凡に過ごせたことにも本当に感謝しています。 ただ、賞レースに参加出来なかった時は「この野郎!」…なんて思った事もありましたが(笑)。永井裕子の作品は多くのカラオケファンの皆様に育てて頂きましたし、ほとんどの作品がカラオケファンの方々の愛唱歌にして頂けたことにも感謝しています。色々な発表会にもお声を掛けて頂きました。歌手を辞めよう…、そんな気持ちが少しあった時期もありましたが大きな挫折にはなりませんでしたし、改めてこれまで永井裕子を応援して頂いた多くの方々に感謝の気持ちで一杯です。「ほんとうにありがとうございました」―そんな言葉しか思いつきません。

*20年の歴史を振り返る「永井裕子20周年記念すごろく」には愛情たっぷりに父の描いたスケッチ画も織り込まれている

―評判のいい20周年記念曲「そして…女」は代表作の「そして…雪の中」「そして…湯の宿」に続く「そして…」シリーズの集大成と位置付けられていますがどんな思いで取り組まれましたか?
今回の新曲は「そして…」シリーズの完結編とでも言いましょうか、私の得意の世界観が出せたと自負しています。これまでのシリーズ2作品は当初からカラオケファンの皆様の強い後押しもあり予想以上の成果を上げることができました。その勢いが今回の新曲に表れていると思います。前の2作品がどちらかというと歌謡曲系の作品でしたので、私の得意とする艶歌の新曲が発売された時はファンの皆さんから「待ってました!」、そんな声が多かったですね。勿論、歌謡曲系の前2作ではいい経験もさせて頂きました。野球の世界がそうであるように直球ばかりではいけませんし、たまには変化球も不可欠でしょうか…。

―前2作は歌謡曲系だったのに何故改めて「そして…」シリーズになったのですか?
当初からシリーズ化が決まっていた訳ではなかったのですが、「そして…雪の中」が思った以上の実績を上げ同時にカラオケファンの間でもとっても評判が良かったので翌年発売の「そして…湯の宿」と続いたのです。そんな事からスタッフの間でシリーズ化したらどうか、との意見が出ていました。デビューしてからは歌手として、そして女性として多くの感情を味わってきましたし、新曲では感謝とこれからへの思いを込めてしっかりと私の世界観をお届けしたい―、そんな思い通りの作品に仕上がりました。

―カップリング曲の「愛のさくら記念日~20周年バージョン~」はデビュー曲を再レコーディングされたそうですね
内輪の話ですが、スタッフの間に「愛のさくら記念日」の大ファンが多く、ある意味では伝説のデビュー曲なんです。私の中にも色んな思い出が一杯詰っていますし、20周年を迎えた永井裕子の歴史を改めて知って頂こうとの思いで再レコーディングしました。このデビュー曲は当初、トラックのドライバーの皆さんに大変応援して頂いた作品でもありましたし、演歌世代より少し年下の方々にも人気でした。今回は詞とメロディー、アレンジは全く変えずオリジナル(音源)で改めてレコーディングしたのですがとっても新鮮に感じましたよ。

―ところで今年は20周年ということで色々な企画があったそうですが
東京、大阪、名古屋…等でコンサートやイベントを企画していましたが、新型コロナウイルス感染症対策で延期になりました。今年の10月には出身地の佐賀でコンサートを予定していますが開催できるかどうかとっても心配です。
*2021年2月24日(水)には東京・渋谷区文化総合センター大和田さくらホールにて「永井裕子20周年記念リサイタル2021 夢道Road to 2030 」を開催!

―これから先の未来に向けてどう舵を取るのか将来への夢なども併せてお聞かせ下さい
例えば紅白歌合戦とかテレビに1本でも沢山出演するという目標はデビュー当初からありましたが、今の演歌・歌謡界は1人でも多くのカラオケファンの方々に愛されることも必須条件の一つだと思っています。このことをこれからも踏襲していきたいですし、ファンの皆様に更なる応援を頂き大きな舞台に立思います。今もそうですが、背伸びしないで一歩一歩着実に進歩していく歌い手を目指してきた自分としては「庶民派」歌手だと思っていますが…(笑)。

―最後に、新型コロナウイルス感染症が収束(終息)したら何が一番したいですか?
旅行がしたいです! 真っ先に行きたいのは沖縄で~す! それと、買い物に行きたいです!

*記者のひとこと*
小柄だが、歌唱力は若手の中ではトップクラスだろう。もうデビュー20周年。筆者が新聞記者時代、大阪市内で開催された彼女のデビュー発表会は今も鮮明に覚えている。当時から将来の演歌・歌謡界を背負って立つ逸材とメディアは騒いだ。記者もその1人。新曲「そして…女」は自ら自負する「永井裕子の世界観が出た作品」に仕上がった。カラオケファンを意識したのか、ちょっぴり控え目に歌っている。これまでは一貫して王道演歌を守り通したが「北の旅路」「ねんごろ酒」「海猫挽歌」では荒木とよひさ&浜圭介コンビで歌謡曲寄りの作品にもトライした。コアなファンにとっては「えぇ…」そんな声が飛び交ったのではと想像するが、演歌ばかりを踏襲していると何ら進歩も発展もない。一時だが路線を変えて挑んだことは大きな進歩だし本人にすれば自信にもなったはず。成功の定義には色々あろうが何があってもなくても、ともかく「自分が自分であること」に心地良さがあれば成功であろう。永井は運もチャンスも掴むだけの力を備えていたのだと思う。永井には昭和のいい時代に歌で沢山の人を勇気付けてくれた昭和演歌をライフワークとして歌い継いでほしいネ。

インタビュー&photo:金丸

 
*プロフィール・スケジュール等は<永井裕子オフィシャルホームページ>にてご確認ください。

 

【プロモーションビデオ】永井裕子『そして・・・女』