一般社団法人全国カラオケ事業者協会(梶喜代三郎会長)はこのほど「カラオケ白書2017」を発行した。カラオケ業界の市場規模など業界の現状把握を目的に’95年から発行しているもので、今回で22回目となる。調査期間は平成28年4月1日~平成29年3月31日まで。アンケート調査によるもので対象はカラオケメーカー、カラオケ設置店、カラオケディストリビューター、カラオケ利用者、一般消費者(団塊世代1947~1949年生まれ)。

それによると2016年度カラオケ業界のユーザー規模は6029億円と前年度の6165億円から136億円の減少となった。要因として対前年から約3000店の減少となった酒場市場の70億円減少に加え、これまで堅調に増加傾向を維持してきたカラオケボックス市場も74億円の減少となったことが挙げられる。とくに’96年からマイナス基調にある酒場市場が未だ回復の兆しがない。ただ高齢者の福祉施設向けのエルダー市場が好調を維持、同時に確実に拡大傾向にあるなどプラス要素もある。

○酒場市場
カラオケ導入対象となる酒場施設は全国で15万5141件でカラオケの稼働台数は約15万5100台と推測され、1店当たりの月間売上推計値は約98万円。カラオケの占める売上割合は9.1%。酒場における市場規模は約1660億円。
○カラオケボックス
カラオケボックスの立地は「市街地・繁華街」(41%)、「郊外・ロードサイド」(56%)、部屋数は平均19.7部屋。20部屋以上が37%で最も多い。一店舗の月間総売上高は、平均で486万円。また、一部屋当たりの月間売上高は平均23万円。
○高齢者福祉施設
種別は民間居住型福祉施設22%、公的居住型福祉施設15%、非居住型福祉施設63%。エルダー用コンテンツ付きカラオケ機器は各施設とも7割前後の設置率。設置台数はいずれの施設も1台が多く、7~8割程度を占める。カラオケの利用方法は各施設とも「レクリエーションや介護プログラムの1つ」として利用している割合が最も多く、各層とも7割前後である。
カラオケ機器でのプログラムとして利用している機能は各施設とも9割が「歌う」として挙げているが次いで「体操・運動支援」も8割前後と高い。また、カラオケの重要度についても各施設とも高い。
○利用実態
酒場で歌って満足できる曲数は平均5~6曲が30%、3~4曲は28%で6割弱の人は3~4曲で満足しているという結果。また、カラオケボックスで1人が1回に使う料金は平均1840円だが、前年に比べ100円の減少となった。また、利用動機については「歌うのが好きだから」(48%)、「家族や仲間と一緒に楽しむため」(46%)、「気晴らしやストレス解消のため」(45%)と三大動機になっている。

※資料提供:一般社団法人全国カラオケ事業者協会「カラオケ白書2017」より