「とにかく葛藤の毎日です」と語っているのは6月3日に「野付半島~カラオケ得々盤~」(作詞:円 香乃/作曲:徳久広司/編曲:伊戸のりお)を発売した井上由美子(キングレコード)。


新曲シングル「野付半島~カラオケ得々盤~」

新型コロナウイルスの感染拡大で音楽界も自粛ムードが続き、活動はぷっつりと止まったままでさぞかししょんぼりとしているのだろう、と先日電話を入れた。こちらの思いとは裏腹に「ほとんど家にいますが元気ですよ~」といつもの元気ハツラツの声が返って来た。
 イベントや新曲キャンペーンは中止や延期を余儀なくされているが先ごろ東京・浅草のヨーロー堂でソーシャルディスタンスキャンペーンを開催した。「新型コロナウイルスが蔓延する前は100人以上のお客さんが来店して下さったのですが、今回はしっかりと距離を取って少人数での開催となりました。久しぶりにファンクラブの方ともお会いできて楽しいひと時でした。でも開催の後日、大丈夫だったかな?と後のフォローに気を使いました」とは本音だろう。


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 そんな彼女が今、懸命なのが動画の配信。オフィシャルブログ「井上由美子のなんでやねん!?」YouTube「井上由美子公式ちゃんねる」だ。自らカメラを回しながらの奮闘。「出掛ける時は暗い所でも撮影できる、そんな思いからカバンにそっと小さな照明を忍ばしているんです」。
 また、今年4月からラジオ大阪で「由美子・伊藤のたかはしふたり旅」(毎週月曜日午後5時15分-5時30分放送=AM1314MHz/FM91.9MHz)がスタートした。パートナーの伊藤謙介さんは岡山県高梁市出身で「高梁慕情」の作詞者で京都セラミック(現京セラ)の創業に携わり平成元年社長、その後会長、相談役、顧問を歴任したほか高梁市の名誉市民。番組では高梁市の観光案内をメインに井上由美子と掛け合いで進めるもので最後に「高梁慕情」が流れる。
 「早いもので番組が始まってもう半年になりますが、回を追うごとに評判が良く全国から番組にメールやハガキが届きます。中には高梁には行ったことがないので是非行きたい、そんなリスナーの方も多いのでとっても嬉しいです」と電話の向こうから声が弾む。
 本来なら年内に新曲を発売する予定だったが新型コロナウイルの影響もあり見送り。それに代わって発売したのが「野付半島 カラオケ得々盤」だ。家に籠る人が多いとの思いからオリジナルカラオケに加え、一般女性用カラオケ半音下げと一般男性用カラオケ1音上げを税込み1000円の文字通りの得々CD盤。
 「もうひたすら動画でファンの皆様にアピールするしかないです。お陰様で動画を始めてからむちゃくちゃヒット数が増えています。嬉しい…」
  
高梁市との出会いは平成24年10月に発売した新曲「恋の川」のカップリングに収録された「高梁慕情」が評判となり、以来高梁市との行き来が始まったことから。同曲の作詞家であり京セラ(当時相談役)の伊藤謙介氏の後押しもあり、地元で大ヒット。平成25年には高梁の魅力を全国発信する観光大使第1号となる「備中たかはし“笑顔で伝えたいし!”」に委嘱される。「お恥ずかしい話ですが高梁市は全く知らない所でしたが、ご縁があり今ではいろんなイベントに声を掛けて頂いています」。高梁といえば、日本で一番高い所にある山城・備中松山城、そして令和2年6月19日に令和2年度日本遺産に認定されたジャパンレッド発祥の地で弁柄と銅の町・備中吹屋が脚光を浴びている。
「そうそう、高梁は小京都・高梁の異名を持つ町でもあります。是非、お出かけ下さい。私が初めて高梁を訪問したのはJR伯備線の最終電車で駅に降りた時、真っ暗の中にも星が輝いていたのを鮮明に覚えています(笑)。美しい街並みと温かい町の人たち…、それが高梁の最初の印象です」。

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