松浦百美子:愛がテーマの新曲「聴かせて…」で念願のデビュー
大阪音楽大学短期大学部ポピュラー科を卒業後は、出身地大阪で自らがオーナーだった店(北新地)でピアノの弾き語りを約20年。今回縁があり念願のデビューを飾った。
「今回のデビュー作品は愛をテーマに制作の段階からスタートしました。先に詞ができ花岡優平先生にメロディーを付けて頂きました。花岡先生には初めてお会いした時開口一番、あ~ひらめいた、そんなお言葉を頂きました」と当時をそう回想する松浦。一週間後にデモテープが手元に届き、イメージ通りの作品になったことに感激、号泣したという。その後、何回も上京しレッスンを積みレコーディングにこぎつけた。
当初は張り切り過ぎ、レッスンでは「もっとセーブしなさい」そんな注意もあったらしい。また、テナーサックスが大好きでデビュー曲には彼女の願いが叶いテナーサックスが心地いい旋律でムードを盛り上げているし、ドラマチィックなイントロにも注目したい。デビュー曲はイメージ的にはどことなく昭和の匂いがするし、作品的には61歳で紅白に初出演したあの秋元順子の「愛のままで…」をどことなく彷彿させる。
「CDは今回が初めてですが大学時代からデビューへの夢は持ち続けてました。そんな中、昨年でしたか自分自身何か残したいとの思いが強くなり、残すのであればやはり音楽であるという結論に達しました。デビューした以上は沢山の人に夢を与え、同時にいつまでも心に残る歌手になればほんとうに幸せです」と抱負を語る松浦。歌で勇気を与えてくれた良き昭和時代に活躍した松尾和子や岸洋子といった路線を虎視眈々と狙っているだけに是非ムード歌謡で勝負をしてほしい、そう願うのは記者だけではあるまい。
有線チャートでは上位をキープしているが、実力を問われるにはやはりCDがどれだけ売れるか、同時にカラオケでどれだけ歌われるかで評価されるのが今の歌謡界の実情である。とくにカラオケの存在は強い。流行歌市場は確実に歌謡曲志向にシフトしている。デビュー曲の「聴かせて…」はカラオケ好きには「是非挑戦してほしいわ」―松浦はきっとそう囁いているに違いない。
音大出身で歌手としての完成度は高い。楽曲も今や右肩上がりの歌謡曲。きっかけさえつかめば浸透は早いだろう。ひょっとするとポスト・秋元順子に一番近い歌手かも…。