歌仲間同士、あるいは同じ事務所に所属する歌手らとのコラボレーションライブ(以下=コラボ)が盛んだ。大手事務所の長良グループが主催する「長良グループ 演歌まつり」はその代表でもある。もう10年、10回を数える。それをお手本にしたイベントも年々増えているようにも思う。そんな中、先日大阪市内のホテルで開催されたホリデージャパンのアーティスト、アローナイツ・木下あきら、西山ひとみ、若原りょうの3人が「若原りょうさんを応援する会~一姫二太郎の集い~」というユニットを組みランチ形式のライブを行った。

この3人によるライブは昨年からスタートしたと聞く。それぞれのファンクラブや後援会が後押ししながら新曲のPRや動員面などでの相乗効果を図っていくのが狙いだ。もうベテランの域に入った木下、実力派として知られる西山、そして長身に甘いマスクの若原。木下と若原はともに北海道出身で若原は木下を兄貴のように慕う仲だし、西山は先輩の木下、後輩の若原と仕事面でもいい関係を保っている。
当日は約3時間強という長丁場だったが、自身のオリジナルのほか、「歌で綴る日本の旅」と題し、北海道から大阪までのご当地ソングをそれぞれが披露するなど粋な構成に会場一杯に埋めたファンは大喜びだった。

若原りょうはオリジナルの他、五木ひろしや美川憲一などの物まねで最大限のサービスをしながら終始ホスト役に徹する様に「先輩に気を使っとるの~」―思わずそう呟いたものだ。
西山は新曲のほか「一生の親友だしオリジナルの中では一番ありがたい作品です」と位置付ける「小島の女」を最後に披露したが「素敵な先輩、後輩という歌仲間に支えられています」と感謝の言葉を忘れなかった。
木下は円熟味を増したベテランならではの味と実力を見せた。残念ながらアローナイツ時代の雄姿を観る機会が記者にはなかったがあの名曲「中の島ブルース」は記者にも歌える。そんな代表作で登場した木下。ちょっと太り気味?ではあるが、あの何とも言えない声と独特の味付けに文句の付けようがない。個性派の少ない男性歌手の中では際立っている存在であることを会場に集まったファンは再認識したに違いない。
フレッシュで元気一杯の若原、武器である歌唱力でじっくりと会場を暖かく包み込んでいく西山、円熟味を増した歌でファンを引き付けたのがベテランの木下で和気あいあいの中、3人3様それぞれの持ち味を出し切ったし、言葉を選びながら仲間を労わる光景に暖かい温もりと3人の太い絆を感じたステージだった。

どの世界もそうだが自らの身は自分で守るという自助の精神も必要だろうが、当日のステージを観るにつけ共助の精神も不可欠である、そんな印象を強く持った。
音楽業界を取り巻く環境は年々厳しさを増している。歌番組が少なくなったとか、キャンペーンに行き詰った…等々、業界関係者の嘆きは分かるが市場を活性化していくための努力を怠ってはいけない。そういった意味でも今回の3人のイベントは価値があったしヒントもあったように思う。あくまでも記者の感想だが、嘆いてばかりではなくもっと知恵を出せ、といいたいね。
若原さん、西山さん、木下さん、次のライブ待ってるよ。

文:金丸