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演歌界はしばらく「女高男低」が続いたがここにきて低迷気味だった男性陣の活躍が目立ってきた。要因は次代を担う若手の成長にある、といっても誰も文句の付けようがないだろう。昨年の暮れ、ひのき舞台である紅白にその結果が出た。山内惠介、三山ひろしという若手が見事に(出場)キップを手にした。また、民謡界から彗星のごとく演歌界に登場し、この2人より先に紅白のステージを2年連続で踏んだ福田こうへいも若手を引っ張る一人だ。この他、松原健之、純烈、川上大輔…等々磨けば光る逸材は多い。一方、女性陣では実績面ではおそらく若手のトップであろう市川由紀乃を筆頭に「九官鳥」がロングヒットしている川野夏美等、こちらも生きのいい若手の実力派が育っている。

売れる、売れないは最終的には聞き手に歌心をどれだけ伝えられるかだろうが、メディアへの露出も不可欠な要素である。年々、歌番組が減少しているだけによけいにそう思う。ただ、ポップスのようにメディアを通じ一気呵成とはいかないことも確かだ。今も地道な全国行脚がいるが的確な戦略に加え、どこまで辛抱できるかも若手を育てる基本であろう。

こうした若手を後押ししているのが、各種イベントである。本格的なものもあればこじんまりしたものまでそのスタイルは異なるが、総じて人気は高いように思う。その一つがもう20数年続いているマンスリーライブ「大阪発流行歌ライブ」(私を世に問う演歌ライブ改め)だ。このライブから派生したのが九州・福岡で開催中の「街角ふれあいライブ」(RKBラジオ公開録音)であり「KOBE流行歌ライブ」である。大阪には氷川きよし、山内惠介、北川大介、福田こうへい等々、女性では水森かおり、島津亜矢、市川由紀乃、永井裕子等がデビュー早々にこのステージを踏んだ。若手を育てよう、と立ち上げたイベントだ。ただ、一歩間違えばお手本になるライブが行き先を見失うこともあることも忘れてはいけない。

テレビで若手に絞ったイベントを主催、放送しているのが「IMAGICA TV」(CS放送=歌謡ポップスチャンネル)の「演歌男子。」だ。2014年1月から放送しているトークバラエティ番組「演歌男子。」のライブ版として開催。大阪でも開催されたが、予想以上の盛り上がりに演歌好きの記者も感激したし、何より驚いたのが既存のイベントと違い若いファンがドッと押し掛けたことだった。そんな光景を目の当たりにして自助の精神と共助の精神を改めて感じた。

同局の石田 翼制作部プロデューサーは「若手男性歌手のみのイベントはこれまで多くは開催されていなかったと思いますので、お客様には大変好評を頂いており、個々それぞれの活動が大きくなるとともに徐々に規模も拡大しています。それとやはり昨年の山内さん、三山さんの紅白への出場は若手男性歌手の盛り上がりに一役買っているように感じます」という。また、今後については「お客様に常に刺激を与えるような様々なメディアとコラボしながら盛り上げていくことも必要ではないでしようか」と色んなコラボレーションもいる、と強調する。まさに共助の精神である。

若手を育てるにはデビューから先の青写真をどう描いていくのかという舵取り役、つまり敏腕スタッフもいるが、最終的には本人の強い意志と豊かな感性、そして何よりも情熱がいることを忘れてはいけない。

文:金丸