sanpomichi

縁があり音楽業界に約40数年お世話になっている。業界紙の記者として音楽を担当したのがその始まりだ。勿論、いろんなジャンルの取材を経験してきたが何故か今も演歌・歌謡曲が好きだ。その伏線は?改装前のフェスティバルホールで北島三郎さんの「なみだ船」を生で聞いて感動したから―それが答えだ。後日、同じステージである大物の外タレの取材を兼ね出かけたが、どうしてもあの北島さんの感動のステージが頭から離れなかったことを今も鮮明に覚えている。仕事柄、現在も業界関係者との付き合いが続いている。

そのなかの1人が宮路オサムさん(元殿様キングスのリードボーカル)。今も行き来があり時折食事をしたりする仲だ。親交を深めてもう20年を超える。22年続いているマンスリーライブ「演歌ライブ」改め「大阪発流行歌ライブ」に周年の節目節目に必ず快く出演してくれたし「いつでも行くよ」とOKをもらっている。まさにこのイベントの恩人の1人でもある。大病を患う前は大阪の居酒屋でレコード会社の宣伝マンらと騒いだものだが、病気をしてからは体のこともありアルコールは無し、と少々寂しいがオサムちゃん(いつもそう呼んでいる)にはまだまだ現役で頑張ってほしいから。

ある仕事で一緒になった。殿キン時代の数々のヒット曲に加え、ソロになっての代表作「酒2合」…等々、往年のヒット曲をたっぷり披露。当然ながら「なみだの操」では会場は大盛り上がり。思わず「昭和の名曲はいいなぁ」と呟いた。歌で酔わせ、おしゃべりで笑わせ、そして癒しながら温かく包み込んでいく様はまさにベテランのなせる業。
そんな温かいステージの合間にオサムちゃんが自ら大病を患い生死を彷徨ったことを報告した。院長に生存率20%、余命3年を告げられたという。「大ショックだったが、院長から20%もあるではないか、その言葉で自分を奮い立たせた」と語った瞬間、静まり返った会場から割れんばかりの拍手と声援が飛んだ。
もうひとつ院長から「ファンを喜ばせるために病を克服した宮路オサムがステージに立っている。その姿を想像したら鳥肌が立つ」―そんな美辞麗句にこちらも鳥肌が立った。

もう深夜。パソコンに向かって2時間が経つ。好きなブラックニッカのハイボールでほろ酔い気分。スピーカーからはオサムちゃんのアルバム「宮路オサム2008全曲集」(07.9.26発売:EMIミュージックジャパン)が流れている。好きな1枚でアルコールが入ると必ず聴く。オサムちゃん、また会える日を楽しみに待っているよ・・・

文:金丸