このほど神戸・新開地のKAVCホールで開催されたVOL.149には、アミューズメントメディア総合学院大阪校・ノベルス学科の学生11名が授業の合間を縫って来場。日頃は小説を執筆している彼らのそれぞれの観点・表現法による鑑賞リポートをご紹介します。

「KOBE流行歌ライブ Vol.149」 
※このイベントの弊社リポートは「流行歌.JP」サイトでもご覧いただけます。

◇アミューズメントメディア総合学院 大阪校
ノベルス学科18期生 入船詩織さんのライブリポートより

2017年2月16日、神戸・新開地のKAVCホールにて開催された「KOBE流行歌ライブVol.149」。
客席はほぼ満席で、和気あいあいとした雰囲気で出演者の出番を今か今かと待ちわびる中、午後1時、司会を務める牛尾淳が登場。軽快なオープニングトークを繰り広げた。
PRコーナーに登場した人美(テイチクエンタテインメント)は、黒のハットにミニスカドレス姿。照明にスパンコールが煌めき、まるで夜空に浮かぶ星々をまとっているようだ。実体験が投影されているというデビュー曲『涙のカケラ』、そして、「私の半生をぎゅっとつめこんだ」という自身が作詞を担当したドラマチックで演歌的な新曲『月影』を披露した。
そして、いよいよそれぞれのショーの始まり。
トークの間は“愛くるしい清楚なお嬢さん”というイメージの花咲だが、『海鳥哀歌』では女の苦しい胸の内を強く切々と歌い上げ、『冬の蛍』では「蛍」の手話を基にした振付指南も行い、ファンを楽しませた。さらに、客席に降りてお客さま一人ひとりと握手を交わす姿はまるで蝶がひらひらと舞っているようで、可憐という言葉に尽きる。
ラストは新曲『おんな炎』。花咲の新境地ともいえる女の情念を綴った楽曲だ。愛されるより愛したい女の、許されざる恋に燃え上がる心。ゆったりとした吐息まじりの歌声は、女性らしい切なさと憎しみが入り混じった、まさに燃える火のような思いを訴えかけてくる歌いっぷりだった。

若原の一曲目は『あなたを口説きたい』。登場とともに歌に合わせて手拍子が起こる。チャ、チャ、の合いの手で客席が一体となる。歌い終わると「りょうちゃーん!」と、黄色い声援が響いた。
「女性の浮気」をテーマにした楽曲が多いという若原。しかしながら、『一度は愛したひとだもの』での甘い歌声を聴いていると「許されざる浮気な女」に同情して心切なくなってしまうから不思議だ。
新曲『雨のジルバ』では、速いテンポの楽曲ながら、客席はしっかりと手拍子でついていく。
ラストは『朝陽が昇る場所』。ゆったりめの曲調に合わせ、客席で右へ左へ揺れるサイリウムの光は、振り子のように美しく弧を描いていた。

水戸の観光大使を務めている水田は『梅の香恋歌』からスタート。優しく伸びのある声に酔いしれ、ふと梅の香りが漂ってくるような気持にさせられる。続く『東京砂漠に咲いた花』は歌謡曲タッチで、頭の中にイメージがするすると湧いてくる。歌に聴き入っていると、ビルの谷間で自分の身をしっかり抱きしめていないと泣き出してしまいそうな少女の寂しさが胸を突く。
『水戸黄門漫遊記』では、七色光り輝く印籠を持って登場。客席に降り握手しながら、「見せる印籠 見せる印籠 鬼退治」に合わせて印籠を掲げて練り歩く。会場全体が笑顔に包まれ、なんとも和やかなムードになった。
締めくくりは新曲『風鈴酒場』。居酒屋の女将さんのような愛情深さがにじむ声で「チンチリチン」と歌われると、なんだか安心しきって心を預けてしまいたくなる。手拍子しながら、居酒屋の席に腰かけているような気分で聴き入った。

KOBE流行歌ライブVol.149は、実に楽しいひと時だった。会場をまあるく、温かな雰囲気で包まれていたように思う。客席と歌手の間にある見えないけれど、たしかにある絆。歌を通して心と心が通い合う心地よい瞬間を、あの日、あの場所で、分かち合えた喜びに感謝したい。

※上記記事以外にも、表現が印象的だったものや心に残った文面を以下抜粋しました。

■鴨井悠葵さん:彼女の歌声は普段の可愛らしい声とは一転し、色っぽく艶かな大人の女性の印象が残る歌声だった。

■諸道秀忠さん:最後を飾るのは、このライブ初主演となる水田かおり。デビュー25周年となる彼女は「梅の香恋歌」を披露。水戸の観光大使ということで、水戸のエピソードを交えつつ、自身も梅を思わせる華やかな和服で登場した。

■髙井芙希さん:「春を待つ神戸の空にこだまする、色とりどりの美しき歌」(見出し)
・「風鈴酒場」は、ある人を待ち続ける女の人をどこか陽気な曲調に仕上げている。

■西改知彦さん:帰り際に多くの人の笑顔に遭遇。アーティストとファンとの確かな信頼関係が感じられる。革新が叫ばれる昨今だが、こういった古き良き習慣は未来に残すべき文化的財産に思えた。

*リポート協力:アミューズメントメディア総合学院大阪校ノベルス学科2年(取材時)18期生
諸道秀忠さん、入船詩織さん、鴨井悠葵さん、髙井芙希さん、西改知彦さん

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