シンガー&ライターという二つの顔を持つレーモンド松屋の新曲「本気でいくから」(作詞・作曲:レーモンド松屋/編曲:レーモンド松屋・上杉洋史)。8月に先行発売したアルバム「歌謡クラッシックスⅢ~俺たちのGS~」と同様にデビュー10周年記念という冠が付いた。同時に8月の大阪・大丸心斎橋劇場を皮切りに名古屋、愛媛、東京(2回)で「レーモンド松屋10周年記念ライブツアー2019~俺たちの1人GS・ワンマンショー~」を成功裏に終えた。

レーモンド松屋の音楽のルーツはグループサウンズだったりベンチャーズだったりするが、大きな影響を受けたのはラテン。そんな彼の旋律をじっくり聴くと古いものを残しながら新しいものをどんどん取り入れていく彼流の独特の音作りがある。
「前作の『クラブジュールのママ』は男性の目線で歌ったが、今回は女性の目線でダイレクトに歌ってます。出だしは女性のセクシーな歌いまわしでしっとりとスタートしていますが全体的にはストレートにノリのいい作品に仕上がりました」と作品についてそう語るレーモンド松屋。命がけで捧げる愛、恋をラテンリズムに乗せ歯切れのいいボーカルで攻めよってくるし、その心地良さが聴き手にダイレクトに伝わってくる魅力的な1曲だ。

アルバムも好評。シリーズ化しているのがGSのカバー作品をメインにした「歌謡クラッシックス」。最新盤の「―Ⅲ~俺たちのGS~」は「エメラルドの伝説」(ザ・テンプターズ)や「長い髪の少女」(ザ・ゴールデン・カップス)、「小さなスナック」(パープル・シャドウズ)などの他、オリジナル作品も収めた内容だが、カバーはそれぞれの良さというか特長を醸し出しながらも大胆なアレンジも聴きごたえがる。
「これらの一連のアルバムは僕にとっては大切なものでこれからもシリーズ化出来たらいいなぁと思ってます。アルバムの原点は昭和初期のナツメロなんです。その庶民的な色合いがいいです」と語るレーモンド松屋の瞳の奥には静かに燃える研磨の炎が見える。

今も地元(愛媛県)から中央に向けてしっかりと最新の音楽を発信し続けている貴重なミュージシャン。レーモンド松屋のブランドを一気に全国区にしたのはライターとして五木ひろしに提供した楽曲「夜明けのブルース」であり「博多ア・ラ・モード」であるが、シンガーとしてはデビュー曲の「安芸灘の風」であり「来島海峡」である。「今も我が家で作品を制作しながらの活動です。これからもシンガーとライターの2足の草鞋を履いていきます。同時に地元で下地をしっかりと作っていきたいですネ。ライブでは昭和の名曲をバンバン歌っているしこれからも大切にしていきたいです」と結んだ。

一声聴いたらすぐ誰と分かる色合いの強さは歌手にとっては大きな武器である。歌謡界の中にあって個性派の少ない男性陣。レーモンド松屋にはこれからもとことん昭和に拘り続けてほしい。