日本クラウンのたくみ稜の新曲「雑魚」(作詞:及川眠子/作曲:杉本眞人/編曲:矢野立美)が話題を呼んでいる。ムード歌謡グループでホーカルとして活躍。ソロになってからもムード歌謡路線を踏襲するなどボーカリストとしての地位をしっかり確立してきたたくみの新曲はそんなイメージをスパットと払拭したリズム感のあるノリノリの作品に仕上がった。背景にはこれまでのイメージを一端壊し新たなたくみの路線を確立したいとの狙いがある。
「新曲は詞先行でしたが今回はとにかく弾けた作品を、そんな制作意図から出来た作品です。これまで僕自身になかった引き出しが1つ増えました。とにかくこの作品に関しては気持ち的にもノリノリでいかないと、いい意味で楽しみながら歌ってます」といつになく言葉数も多く相当気合が入っている、そんな印象を受けた。

詞もいい、タイトルもいい、旋律もいい。まさに三拍子揃った。タイトルの「雑(ざこ)魚」なんて久々に聞く言葉だし妙に心をくすぐる。とくにシルバー組には青春時代を思いだすだろう、なんて勝手に想像する。特徴的なのはやはり旋律だ。杉本の独特のカラーでもあるトップさが濃い目の色合いを付けた。杉本とは事務所を通じ4~5年の付き合いらしいが今回念願が叶いようやくコラボレーションが実現した。
「杉本先生にはビブラードを付けないでバンバンいけと。でもその辺が一番苦労した所です。詞については理にかなっているし説得力をすごく感じますね。ファンの方々にもいい意味で共鳴してもらってますしステージで歌う時は気持ちを切り替えテンションを一気に上げてます。作品的にもそうしないといけないと自分にいい聞かせています。アピール度はかなり高いし人生の応援歌としてもプシュしていきたい」。カップリングの「なんぼのもんや」(作詞・作曲・編曲:同)は関西弁を駆使したほのぼのとした作品に仕上がった。
発売に先駆けては関東、関西地区のCDショップ、ショッピングセンター(約100カ所)をメインに予約キャンペーで訪問、予想以上の成果を上げた。その甲斐があってか、チャート誌では演歌・歌謡曲部門で初登場1位を勝ち取った。

たくみとは新曲を発売する度に取材をしてきたが、いつも真摯な姿勢で歌に仕事に当っている。そんな姿を見るにつけ「真面目だなぁ~」なんて思ってきた。これまでの作品は野球で例えるならバットの芯にコツンと確実に当たる作品にしがみついてきたように思うが、今回はそんなイメージを払拭。まさに意表を付いた作品にこちらもびっくりしたのが正直な感想だ。吉と出るか凶と出るかはもう少し時間がかかるだろうが、弾けた作品を―、そんな事務所サイドの制作意図は成功だろう。どんな世界にも思い切りは不可欠だ。杉本自身にも「たくみ稜をひと皮むいでやろう」そんな野心があったに違いない。いい作家と巡り合ったねぇ~。