「この歌を聴いてもらって皆さんに問うてみるのが楽しみです」―
笑顔でそう語っているのは今年1月に発売した新曲「青春の忘れもの」(作詞:伊藤美和/作曲:六月ゆか・吉永幸一/編曲:矢田部正)が好調なキングレコードの小金沢昇司。スマッシュヒットした「おまえさがして」でデビューしてもう31年。昨年還暦を迎え、今年の8月には61歳になる。
小金沢の一連の作品イメージはどうしても演歌色が強い、そんな思いがあるが今回の新曲は意表をついたフォークタッチの作品。といっても、シンプルな中にもしっかりと歌心の芯をとらえたところはさすがだ。
「新曲は、最初は全く詞の内容が今と異なっていたんですが、マネージャーやスタッフが相談して小金沢の等身大の作品を作ろう、とやり直したのがこの詞だったんです。タイトルも当初は演歌色の強いものだったんですが全てを変えました」と制作意図の経緯をそう語る小金沢。ただ、ファンにとっては戸惑いがあったのではと想像するが、冒頭で語っているように「問うてみたい」という意図が本人、スタッフにもあったに違いない。

作品を書き下ろした作曲者の六月ゆかり(カップリング曲『雨の交差点』を作詞・作曲)はいま歌謡界でスポットライトを浴びている平成の“おんなギター流し”のキャッチフレーズを持つシンガ・ソングライターのおかゆ。「青春の忘れもの」は歌の主人公が1人で酒を飲みながら、♪青春時代の忘れもの 探す 探す旅に出る…そんな詞の内容で団塊の世代にはきっと心に沁みるだろうし、この歌を聴くと青春時代にタイムスリップするだろう。

「この歌を聴いて頂き人それぞれの思いを感じてもらえば、と思っていますが、僕自身は小学校の時の事を思い出しますね。もう他界しました両親の事、特にお袋の事が頭をよぎります。作曲してもらったおかゆさんとは今回が初めてですがとってもいい感触です。ファンの皆さんにもすんなり受け入れられています。これからもしっかりと歌っていきたいです」と結んだ。


8月9日には新曲の作家でもあるおかゆと「小金沢昇司&おかゆ~波乗りサマーライブ!!~」と銘打ったイベントを都内の「六本木クラップス」で行う。

詞の命は出だしの2行にある、と言われる。♪一人グラスを 傾けて…しみじみ酔いたい夜もある―。 伊藤美和の詞のタッチが聴く側へ直接的に詰め寄ってくるし、小金沢のソフトな声が実にいい雰囲気を醸し出している。力で押す歌唱も小金沢の良さでもあるがこんな歌もレパートリーに入ると小金沢の魅力が更にアップする。還暦の小金沢が見事に歌い上げたまさに青春思い出ソングだ。期待したいネ。