18歳の時、故郷の山口県を離れ上京。サラリーマンを皮切りにディスコのDJ、カラオケボックスの経営等を経験しながら人脈を作ってきた関 周(せきあまね)が今年1月に箱根レコーズから「パパの作りばなし」(作詞:伸我/作曲:米田まり/編曲:上里知巳)でCDデビューした。「1人でも多くの人にこの作品を知ってもらいたい」とこのほど大阪でキャンペーンを展開するなど精力的に動いている。

大学受験で上京したものの進学を断念。縁があり上京12年目に自ら奮起し独立。最初に手掛けたのがカラオケボックス運営だった。同時に幼少期に習っていたというピアノにも打ち込んだ。30歳後半だった。「感覚的はそれなりに残っていましたが最初は全然ダメでしたね」とピアノの鍵盤を数十年ぶりに叩いた印象をそう回想する関。40歳で今経営しているピアノバーを開店。自らピアノの弾き語りでお客さんのリクエストに応えたり、作詞・作曲したオリジナンル作品を披露している。
「オリジナル作品は20曲くらいありますが、プロとしてデビューすることは全く考えていませんでした。昨年、デビュー曲を作曲して頂いた米田さんや作詞家の伸我さんとの出会いで実現しました。制作の段階でとっても反応が良かったんです。両先生には自分らしさを出しなさい、そんなアドバイスを頂きました」


デビューCD「パパの作りばなし」

デビュー曲「パパの作りばなし」はいきなりピアノ旋律がガツンと迫る。平たくいえば心地いい。いたってシンプルな作品でジャンル的には「これぞ癒し」、そんな印象だ。ほかに「帰りたい場所」「波に寄せて」の3曲入りCDだが、ともに癒し系にまとめた。
発売後、ダウンロード版がAmazonミュージックのキッズ・ファミリー部門、演歌・歌謡曲・その他邦楽部門でそれぞれ売れ筋トップにランキング。今注目の楽曲でもある。
「トップになったことは素直に凄い事だと思う。この歌で世の中のお役に立てれば嬉しいし、同時に色んな所に出掛け色んな人との出会いを作ってこの作品を歌い、問うてみたいです。是非たくさんの人にこの歌を聴いてもらいたいです」と話す関。この作品を引っ提げボランティア活動にも精を出している。

関とは会うのは今回が初めて。TシャツにGパン、リュックを背負った姿は正直若々しいし、いかにもミュージシャンといった出で立ち。50代とは思えないし温厚な人柄にも魅力を感じた。しばらく作品の事はそっちのけで厳しい音楽業界の話で弾んだ。短時間で結論には至らなかったが、これほどにあふれるほどの夢を描いている歌い手は少ない。不完全でもいいではないか。精進を重ねることに意義がある。関と分かれた後、ふとそんな思いが頭をかすめた。
その夜、原稿を執筆しながらCDを何回も聴いた。暖かく包み込む爽やかなボーカルとシンプルな旋律はまるで心地いいイージー・リスニング。一服の清涼剤にしたい作品だ。こんな作品がもっともっと世に出てほしいネ。