昨年、歌手生活30周年を迎えた石原詢子(ソニーレコード)が新年号「令和」の第一弾となる新曲「通り雨」(作詞:冬弓ちひろ/作曲:岡 千秋/編曲:南郷達也)を発売。今回はCDの通常盤に加え、お得盤、通常盤カセットを同時発売した。また、昨年から東京、大阪で詩吟損水流師範として詩吟教室「詢風会(じゅんぷうかい)」を立ち上げた。

伍代夏子、藤あや子らとソニーレコード美人演歌路線を今なお引っ張っている1人でもある。
「好きな歌をこんなに長く続けていられる事への喜びは格別です。勿論、いいこともありましたが苦しい時代もありました。苦しい時代へはもう二度と戻りたくないです」と過去をそう振り返る。色んな賞を獲り、NHK紅白歌合戦のキップも手中に収めたのが今も代表作として歌い継がれている「みれん酒」だった。
「今回の作品については基本的には岡先生にお任せしました。先生は今の石原にはこんな歌がいいのでは、と最初の2行は岡先生が詞を付けてメロディー先行だったんです。先生の拘りがあったのだと思います。その後に作詞家の冬弓先生がしっかりと詞を付けてくださいました」。
代表作でもある「みれん酒」同様に、伸びやかに歌い上げる歌唱に引き込まれるのがこの新曲の売りでもあろう。それはそれでいいのだが、記者にはちょっぴり重いイメージを持った。「みれん酒」の感触を取り戻したいとの思いは十分伝わってくるのだが、新たな境地を出してほしかった、というのが個人的な感想である。 むしろ、カップリングの「こころに春を」に好印象を持った。3年ほど前の作品らしいが、「いつかレコーディングしたい」との思いがスタッフにあったらしい。
石原は「気になっていた作品なんですが…」とまんざらでもない、そんな口ぶりだった。ただカラオケに迎合する気は毛頭ないが、いまの歌謡界は「歌われてなんぼ」の世界であることを再認識してほしい。
今回は通常盤とお得盤の同時発売だが、お得盤にはこの2曲に加え「淡墨桜」と「詢子の日本列島しあわせ音頭」の4曲を収録。後者はコンサートのエンディング用にと企画、実現した。

「新曲は盛り上がるところも沢山あり気の抜けない作品なんです。誰もが経験する切なさや悲しさが表現できたと思います。カラオケで優勝したい、そんな方には是非お勧めしたい作品です。ひとまず次の節目となる35周年を目指したいと思ってます」と新曲にについて、これからについてそう語った石原。テレビの歌番組(とくにBS放送)の常連といってもいい昨今。石原の歌う姿を観るといつも満面笑み。歌手人生を懸命に生きている姿が印象的だし美しい。業界の風潮に惑わされずいつまでも生きた哲学を貫いてほしい…。