スーツに身を包み鼻の頭に汗をかきながら直立不動で歌う姿は今も昔も前川 清(テイチクエンタテインメント)の専売特許だが、歌の合間に愛嬌たっぷりのお喋りはソロになってからの大きな変化だし武器ともいえる。その前川がこのほど大阪・梅田芸術劇場メインホールでコンサートを行った。
このコンサートは昨年歌手生活50周年を迎え、全国36カ所で開催した記念コンサートの1つとして大阪でも開催予定だったが、天災等の諸事情により延期になっていたもので今回仕切り直しとなった。当日は昼夜2回公演だったがいずれも満員御礼の盛況。2部では前川の息子・紘毅と娘・侑那も応援に駆け付けるなど親子共演も実現した。

一部はステージ中央のスクリーンにクール・ファイブ時代の映像が映し出された後、代表作「長崎は今日も雨だった」でオープニング。「昨年は色んなことがあり大阪公演が中止になったが今回開催できたことを嬉しく思っています」と延期になった経緯に加え、クール・ファイブ時代の事にも触れ「いつかはクール・ファイブと一緒にステージに立てる日を楽しみにしている」と語った。この後、「港の忘れ草」「港の別れ唄」などを披露、前作の「初恋 Love in fall」で終えた。「新曲を出すんですがなかなか、売れないんです…。ただ、新曲を出すのは生きているという証なんです」と笑いを取った。

休憩を挟んでの2部は前川親子3人がステージに登場。観衆を巻き込みながら「VACATION」で盛り上げた。紘毅と侑那がそれぞれの新曲を披露した後、再び前川が登場。ソロになってからの代表作「雪列車」「ひまわり」「東京砂漠」のほかクール・ファイブ時代の「中の島ブルース」などを熱唱した。

当日のハイライトは、前川ならではのステージを離れ客席でのショータイム。もう恒例となっている写真撮影OKの時間。勿論、歌いながらの客席巡回だ。時には立ち留まって2階、3階席に向かってピース、ガラケー(携帯)のお客さんには「ガラケーはピントが甘いんだよね…」といいながらもピースでカメラに納まり握手にも気軽に応える姿が印象的だった。アンコールでは親子揃って「TAKE ME HOME、COUNTRY ROADS」で締めくくった。

前川のステージは良く観るがいつも感じることは暖かい空気感を身を持って感じていることだ。懸命に歌に打ち込む姿は最上の喜びであろう。もう70歳を過ぎ、歌手としての峠は越した。無理をすることはない。原理原則はシンプルを全うすることだと思うのだが…。これからも気になる歌手でいてもらいたいネ。


新曲「ステキで悲しい」

*6月5日には前作に続く糸井重里プロデュースによる新曲「ステキで悲しい」(作詞・作曲:水野良樹/編曲:川村栄二)発売!


2019/11/30「前川清&クール・ファイブコンサート2019」

* 2019年11月30日(土)兵庫・神戸国際会館こくさいホールにて「前川清&クール・ファイブコンサート2019」開催。 13:00/17:00開演

*詳細はこちら⇒