年齢を重ねるうちに己の将来の生き様の模索が始まるのは世の常、人の常だ。そんな人生をテーマにしたのが湯原昌幸(テイチクエンタテインメント)の新曲「星になるまで」(作詞:田久保真見/作曲:杉本眞人/編曲:猪俣義周)。
今年で芸能生活55周年のキャリアを持つ湯原の代表作と言えば、今なお歌手活動において欠かせないミリオンヒット曲「雨のバラード」。ここ数年は「人生半分」や「冬桜」に代表されるような人生をじっくりと歌い上げた作品が多いが、今回もそんな路線を踏襲したベテラン、湯原ならではの作品に仕上がった。

新曲については、「いいスタートを切ったと認識している。当初のイメージ通りの楽曲になった。たとえ大ヒットしなくてもこの作品を出したことに意義がある。自分のこれまでの生き様やこれからの人生をどう生きていくかがテーマです。リアルな詞なので同世代の方にどう共鳴してもらえるかも興味深いし、同世代の方を元気付けるような歌にしたい」と、72歳ならではの同じ団塊世代へのあるべき生き方を目指せ、そう問いかけているような気持になる作品だ。自身も、「55周年の一区切りの作品にしたい」と人生路線を司る最終章にしたいらしい。

個人的な“ぼやき”ではあるが、湯原の作品はこのところちょっと暗め?そんなイメージがあったことが否めなかったので、しばらく続いていた路線を一度リセットして新しい歌謡曲の世界を築くのもいいんじゃない?と、問いてみたら…。にっこりと頷きながらも間髪入れずに「次の作品?もうしっかり考えているよ」と新たな展開を水面下で模索しているときっぱり。
「バンドテイストもいいねぇ。僕の世代は洋楽の洗礼を受けているのでそれらをミックスした世界観を出したいね。同時にG.S(グループサウンド)をもう一度掘り起こしたいとも思っている。僕自身が出来ることはその時代に戻ることが一番だと思うから」―。

細やかに描いた未来のイメ-ジや昭和の良き時代にあった“美しい心”を馳せる根底には、王道とも言えるG.Sソングを今一度甦らせたいとの思いがあると感じたし、迷うことなく自らの法則を全うしてもらいたいとも思った。
「色んなジャンルを取り込んでいた“昭和”。その素晴らしい財産が平成でやや薄らいだ気持ちもあるが、新たな年号の“令和”でもう一度甦らせたい」と結んだ。