§ TOPインタビュー


2017年1月18日に「青いダイヤモンド」でデビューした中澤卓也(日本クラウン) 。
いまの若手演歌界のホープとして大注目されている1人だ。第一印象は、歌は勿論だが全身から香り漂う“爽やかな笑顔”が最大の魅力と感じた。これほど爽やかなインパクトを与えた若手歌手は過去にいない。新曲「茜色の恋」(作詞:いではく/作曲:田尾将実/編曲:丸山雅仁)ではまさに郷愁溢れる純演歌を伸び伸びと大きく表現しているが、歌のジャンルに捕らわれない架け橋になれるような歌い手を目指して日々精進する中澤卓也が輝いている。

―元々はレーシングドライバーを目指していたそうですが何故歌謡界に?
「小学校3年生からプロのレーシングドライバーの登竜門でもあるレーシングカーの練習場に通っていましたが、資金面でも結構掛かるものですからこれ以上親に迷惑を掛けたくないと、高1の時にきっぱり止めました。そんな時、祖母から『NHKのど自慢』の話を聞いて心がちょっぴり揺れたんです。それまで歌には興味がなかったので歌手になろうとは全く思ってもいませんでした。でも、プロのカーレーサーを諦めて心がモヤモヤしていた時に母が『NHKのど自慢』にハガキを出してくれて、2013年3月に地元の長岡市で開催されたこのイベントに運よく出場する事ができました。不安もありましたが、しっかりと背中を押してくれた母には今でも感謝しています。あの頃は“どうせ出るならトコトンやってやろう”―そんな思いもありましたし、迷惑をかけた親に歌手になって恩返しをしたい、そんな熱い衝動に駆られていました」

―その「NHKのど自慢」では「さくら(独唱)」を歌われたそうですね

「この曲は僕が初めて買ったCDでもあり一番よく聴いていたのですが、『歌って楽しいものなんだ』と気付かされた1曲でした。お陰様で今週のチャンピオンに選んで頂いたのですが、この日のテレビを偶然に観ておられた日本クラウンの方から『歌手になりませんか?』と自宅へ電話を頂き、突然の言葉に心が大きく揺れ動いたのを覚えています。それからは一瞬にして人生が変わりました。子供の頃からJ-POPが好きでギターの弾き語りもしていましたが、この時を境に初めて演歌や歌謡曲を知ることになったんです」

―早々に歌手デビューが決まったそうですね?

「2013年から作曲家・田尾将実先生のレッスンを受けるようになりましたが、田尾先生には演歌や芸能界のイロハをみっちりと教えて頂きました。最初の1年ほどはほとんど歌を聴いて頂けなかったので正直不安でしたが、『歌は聴こうと思って聴くものではない。人の手を止める様な歌い手にならないといけない』。―そんなアドバイスを頂きました。田尾先生は演歌からポップスに至る音楽の中での僕の居場所を懸命に探して下さいまして、最初は歌謡曲から始まり徐々に奥深い演歌の世界へと歌が変化していくのが少しずつですが解るようになりました」

―デビューを目前に気になった先輩歌手や楽曲などは?
「北島三郎さん、五木ひろしさん、細川たかしさんなどいろんな方々の名前が浮かんできましたが、演歌=コブシ…そんな思いもありました。演歌というジャンルは年齢の高い方が聴くものだと勝手に思い込んでいましたが、最近は若い演歌・歌謡曲を目指す歌手の方がたくさんデビューするようになり、若いファン層が急増しているようにも思います。そんな背景を僕なりに分析して、ジャンルは全く関係ないと痛感しています。僕自身、子供の頃から慣れ親しんできたJ-POPも武器にしながらいろんな音楽ジャンルの架け橋になれるような歌い手になりたいと思っていますし、今でも田尾先生のレッスンでいろんな引き出しを作って頂ける事がとても大きなプラスになっています」

―デビュー年にはカバー・アルバム「繋ぐvol.1~カバー・ソングス 7つの歌心~」を発売されましたが
「『青いダイヤモンド』でデビューした年に2ndシングル「彼岸花の咲く頃」を早々に出させて頂きましたが、その2か月前に発売させて頂きましたこのカバー・アルバムはデビュー当時から応援して頂いているファンの方々にいろんな僕の一面を聴いて頂きたいという思いもあり、時代と世代を繋いでいきたいという意味を込めて僕自身がタイトルを名付けました。デビューのきっかけとなった『さくら (独唱)』やクラウン新人オーディションで歌唱した『氷雨』など全7曲を選曲させて頂きました」

*Vol.1の収録曲は「さくら(独唱)」「氷雨」「君は心の妻だから」「君恋し」「君だけを」「初恋」「愛し君へ」の全7曲。全体的な印象は中澤の特長である中低音を発揮した傑作集だ。とくに響きのいい中音でそれぞれの歌にしっかりとドラマを作っているところに潜在的なセンスさえ感じられる。

―今年2月27日には4枚目の新曲「茜色の恋」をカップリング曲の違う2タイプで同時発売されましたね
「新曲『茜色の恋』はこれまでの歌謡曲調の作品から一転、哀愁感と切なさが伝わってくる“純演歌”です。カップリング曲はバラードやポップス調ですがメイン曲を敢えて演歌に拘ったのはジャンルに囚われない1人のボーカリストとして僕の歌を聴いて下さるお客様に感動していただけるような歌手にならないといけない。加えて、僕の新たな一面を皆様にお届けしたいとの思いもあり、ディレクターにお願いしてできたとてもインパクトのある作品になりました」。


シングル・タイプA「茜色の恋/東京タワー」


シングル・タイプB「茜色の恋/ゆびきり」

*記者のひとこと*
デビュー当時から妙に心をくすぐる若手歌手の1人だった。音楽業界は混迷の時代に入り歌手ひとり1人が将来の生き方を懸命に模索している。中澤もそんな1人と想像する。現状に満足せず昭和の歌謡界を彩った多くの諸先輩の名作を受け継いでいきたい、そんな姿勢が話の節々に見え隠れする。まだデビューして3年目だが歌を聴き、ステージを観るにつけ独特の色気を感じる。「演歌は傍流」―そう言われた時代があった。背景にはしっかりとしたユーザーリサーチを怠っていたことは否めない。メーカー、事務所の怠慢だと言われても仕方がない。その1つが次代を担う若手をしっかり育成しなかった、という反省点がある。そうした反省が奏功したのかここ数年の若手の育成ぶりには目を見張るものがある。このチャンスを生かすも殺すもメーカー、事務所のこれからの戦略にある。中澤には若手の先頭グループを走っている山内惠介、三山ひろし、福田こうへいをどう追随し、演歌界の若きエースに踊り出るか、注目したい。そのためには誰よりも多く研鑽する努力がいる。「頑張れ」とエールを送りたい。

インタビュー&photo:金丸

 
*主なスケジュール詳細は中澤卓也オフィシャルサイトをご覧下さい
https://www.nakazawatakuya.com/schedule/
 

「茜色の恋」MV