このところの演歌界は若手の台頭が目覚ましい。共通点は何故か昭和のいい時代の匂いを彷彿させる作品づくりにある。3月6日に日本クラウンから「哀愁峠」(作詞:たきのえいじ/作曲:水森英夫/編曲:石倉重信)でデビューした二見颯一もそんな1人だ。デビュー日の翌日に大阪市内で行われた新曲披露コンベンションでは民謡で鍛えた歌唱力を武器に、二見の持ち味になるだろう“望郷演歌”をいかんなく発揮した。

5歳から本格的に民謡を習い、中学・高校ではその実力を早々に発揮。全国大会で日本一(中学=民謡民舞少年少女全国大会中学生の部で優勝/高校=正調刈干切唄全国大会男性の部で優勝)に輝き、2017年開催の日本クラウンの「演歌・歌謡曲新人オーディション」で見事グランプリを獲得。その後レッスンを積み、満を持して念願の演歌歌手デビュー。キャッチコピーは“やまびこボイス”。二見の歌声に沁みとおる哀愁や郷愁感に日本人が忘れかけていた美しい心が見事に甦った。

この日のステージはデビュー曲の「哀愁峠」でオープニング。続いて、二見の憧れでもある昭和の歌謡界を彩った三橋美智也の「哀愁列車」。尊敬する先輩であり目標とする歌手というが、その突き抜ける様な歌声にはどことなく三橋美智也を彷彿させる感じがする。何年かかろうが、出来れば“ポスト三橋美智也”に―、そんな夢を持ち続けてほしい。
発売前に聞いたCDではいまひとつピンとこなかった(失礼)が、生歌を聴き二見の実力に感動した。やっぱり歌は生のステージに限ると改めて感じた一時でもあった。

「デビュー曲には地元・宮崎県の地名も出てきます。民謡の味も出せるような作品を作って頂けました。楽譜を頂いた時の嬉しさは今も鮮明に残っています。これからも大切な作品として歌い続けていきたいです」と曲にかける思いを語った二見。ステージでは緊張のあまりか顔一杯に大粒の汗をかきながらの熱唱に「頑張れよ…」と思わず心の声を掛けたくなった。