「何かいいことできないか?」―そんな発想を機に全国的に開催しているイベント「HIME TAROライブ in 京都宇治」がこのほど京都府宇治市の「迎賓館シェーナ」で開催された。かつて同じレコード会社で苦楽を共にした木下あきら、西山ひとみ、若原りょうという3アーティストが切磋琢磨しながら歌とお喋りでファンを楽しませる、そんな異色のイベントだ。2年前から開催しているもので、8月の名古屋公演では塚原哲平が出演したが、今回は新たにニューフェイスの北野ゆきを加え4人での開催となった。

初めての京都公演には北は北海道、南は九州から熱烈なファン約200人が駆け付け超満員、4人の歌とお喋りに最後まで暖かい声援が送られた。午後1時。アナウンスとともに4アーティストがステージに勢揃い。それぞれが挨拶した後、北野が「河内おとこ節」、若原が「北の三代目」、西山が「演歌みち」、木下が「中の島ブルース」とそれぞれがオープニング曲を披露した。この後、お遊びコーナーともいえる4人揃っての寸劇。


若原が先生役に扮し木下、西山、北野が生徒に。西山と北野はセーラー服姿に木下と若原はジャージ姿という昭和の時代?にタイムスリップした演出に会場は爆笑の連続。昭和の代表作(全てカバー)をそれぞれ2曲ずつ披露。

引き続き、北野、若原、西山、木下の順でそれぞれが30分のステージを踏んだ。
トップバッターとして登場したのは北野。


今回が初出演とあってスタートから気合十分。「もう一度永遠に」をオープニングに「君こそわが命」「あなたのブルース」などのカバー曲を披露。最後は最新曲「幸せかくれんぼ」で締めくくった。


続いて当日のホスト役として終始ハッスルした若原は会場の後方からカッコ良く登場。「あなたを口説きたい」「雨のジルバ」で会場を一巡した後ステージへ―。「このイベントは昨年からスタートした。今年は1人増えた。この宇治で同ライブはファイナルとなる。昨年これまでお世話になったホリデージャパンを退社した。また別の形で皆様にお会いできると思う。ファンクラブとの交流が更に強固なものになるようこれからも精進したい」と新天地での再スタートを伝え、日頃の感謝を精一杯伝えた。後半は代表作でもある「振り子」、演歌色の強い「男のひとり酒」、そして「出来ることなら」で締めた。


テイチク移籍第1弾「ひとあし遅れ」のブレイクで実力派の仲間入りを確実なものにした西山。紫と白が眩しいばかりのドレスに身を包み「愛人霊歌」で堂々の登場。「お世話になったホリデージャパンを15年で卒業し古巣のテイチクに復帰しました。これも何かのご縁だと思ってます。これからも切磋琢磨してこのイベントを盛り上げていきたい」と感慨深げにこのイベントの経緯などについても語った。続いて披露したのは「この歌と寄り添うように来た」と西山の代表作となる「小島の女」をじっくり披露。会場からは大きな声援が飛んだ。カバー曲「釜山港へ帰れ」「歩」と続き絶好調の「ひとあし遅れ」、最後は「愛の讃歌」を熱唱した。
*10月17日にはカバー曲を中心とした豪華アルバム「Song of LIFE」(全13曲)を発売する。
 


アルバム「Song of LIFE」
 


トリを取ったのはその独特の木下節が冴えわたっているベテランの木下。「東京の雨を札幌で」をオープニング曲に「港町挽歌」「骨から泣きたい雪子です」「桜のように」「さよならは言わない」「最後にもう一度」の6曲を熱唱した。もうベテラン中のベテラン。名曲「中の島ブルース」はもう木下の十八番。「ステージでは休憩しながら歌わないとしんどいわぁ~」と時折冗談をいいながら笑いを取り、お喋りでもベテランの味を発揮するがそのマイペースぶりはベテランならではの技だ。それにしても、あの独特の間に加え、男の色気を表現する歌い手はそういない。
いつまでも心をくすぐる歌い手であってほしい、と久々に観たステージでそう感じたのは記者だけではあるまい。まいった、まいった…。

*2018年12月24日(月・祝日)「HIME TAROクリスマスイヴコンサート in 千葉県袖ケ浦市民会館」開催

*記者のひとこと
このイベントを最初に観たのは昨年の大阪のホテルだったと記憶している。「何と息の合ったステージだろう」と感心したことを覚えている。厳しい音楽業界の中にあって「何かしたい」と誰がいったのかは知らないが日頃行き来のあった3人が立ち上がった。歌手である以上、回りからの評価や称賛を求めながら活動している。しかし、更に上を目指し継続するのであれば自らエネルギーを創造しながら共助の精神も養ってほしいネ。そんな3人にエールを送りたい。