デビュー以来、作品のほとんどが女歌というキングレコードの角川 博の新曲「女のなみだ」(作詞:かず翼/作曲:岡 千秋/編曲:前田俊明)の評判がいい。魅力であり特長でもある艶のある声の健在ぶりに加え、角川の世界観をしっかりと出した傑作。ステージでは1つの売りでもある「モノマネ」も人気のベースになっている。また、特徴的なのがBS・朝日「日本の名曲 人生うたがある」やBS・TBS「昭和歌謡ベストテン」といったBSの歌番組への出演が増えた。昭和歌謡はほぼ純レギュラーだ。

自らメロディーと詞の絡み具合かいいという新曲はテンポがあり理屈抜きに聴きやすいし歌いやすい。要するにカラオケファンには持って来い、そんな楽曲に仕上がった。
「そうなんです。今回の新曲はカラオケを歌う人には大変お薦めの作品だと自負しているし、カラオケファンは無視できない。この作品をカラオケ好きの人が認めてくれないと僕の良さが伝えられないですね。詞に関しては今の時代の感じではなく少し古い匂いがする。♪あなた あなた~の所をどう表現するかがこの作品の最大の聞かせ所でしょうね」と作品についてそう語る。
デビュー以来の艶と嫌みのない声質で聴くものを暖かく包み込んでいく様は昔も今も変わらない。いつまでもこの声をしっかりと伝えたい、との思いもあり7年前に好きだった酒・タバコときっぱり縁を切った。

角川人気のひとつがモノマネでありお喋りだ。
「歌だけだと今の角川博は生き残ってないと思う。むかし人気のあったバラエティー番組に僕自身はまってましたね。ステージでどうお客さんを楽しませるか、そんなことを真剣に考えましたね。結果的に歌、コント、モノマネが不可欠、そんなことを感じながら実践してきたことが40年以上もった秘訣でしようね」要するに歌以外で付加価値をどう出すか。歌世界もそんな時代に入った。
今年はもうデビュー43年目に入る。「その都度その都度のことは後に残したいが、過去を振り返ることはない。振り返るのは昔の名曲のみ」―そう結んだ。

*記者のひとこと*
自分の主張をはっきりとしかもシンプルに話す。取材をする側としてはもっと突っ込んだ話を聞きたいがうまくかわされる。ベテランの成す業であろう。女歌が歌える数少ない1人でこれからもこの路線を踏襲してほしいと願うが、さらに磨きをかけるなら角川の世界観をどう膨らませていくか興味深い。別れ際にいった。「まだおじさんの声にはなってないよ」。