◎あさみちゆき どん底気分の主人公の心の痛みを歌う新曲「四畳半の蝉」メッセージ

◎ インタビュー

故郷、山口県から上京。紆余曲折はあったが2003年に念願が叶い「紙ふうせん」でデビューしたテイチクエンタテインメントのあさみちゆき。
強い意志と豊かな感性を磨きながら一歩一歩確実に前進しているが、原点ともいえる都内・井の頭公園でのストリートライブは既に200回を達成し、ライフワークの一つとして定着した。
昨年11月に発売した新曲「四畳半の蝉」(作詞:結城 瞳/作曲:山崎ハコ/編曲:伊戸のりお)は第50回日本作詩大賞新人賞・最優秀賞受賞作品。マイナー調の作品だが、自ら「これが私の世界観」というだけあって歌心の芯を鋭い感性で包み込んでいる傑作でもある。
そんな新曲にかける意気込みやライブへの思い等を聞いた。

―好調な新曲「四畳半の蝉」は第50回日本作詩大賞新人賞・最優秀賞受賞作品ですが、詞・旋律にはどことなく昭和の匂いを感じますね
「この新曲の歌詞はあさみちゆきのために募集して頂いた、応募総数2000通の中から選んだ作品です。詞の内容が究極のもの悲しい作品で衝撃を受けましたしどん底にいる心境でしたが、元々(暗い)マイナー調の作品が大好きなので思わずわくわくしました。マイナー調の作品が好きなのは何かに感化されたのではなく生まれつきですかネ」

―メロディーメーカーはシンガー・ソングライターの山崎ハコさんですがあさみさんからの依頼だったのですか?
「以前から山崎ハコさんの作品は大好きで、前々作の『かすみ草エレジー』に続き今回が2作目になります。私からの依頼ではなくプロデューサーが詞を確認して“ハコさんしかいない!”とのことでお願いしましたところ快く受けて下さいました。ハコさんからはストリートライブで歌っている様な感覚ではなく、四畳半の中にいることを忘れずに歌ってほしいと。それと、リズムを崩すことなくしっかり歌ってほしいとのアドバイスを頂きました。ただ、これまでの作品に比べてレコーディングにはそれなりの時間を費やしました」



―ところで、定例となっている東京・井の頭公園でのストリートライブも毎回大人気のようですね

「デビュー前からのスタートでした。2017年9月で200回を達成しまして、16年になります。この公園はあさみちゆきを育ててくれた故郷なので、これからもライフワークとして続けていきたいです。ギター1本でスタートした時は地べたでの演奏でしたが、その後はビール箱の上になりまして…。毎回300~400人のお客様が駆け付けてくれていますが、ほんとうに嬉しい限りです。勿論、これからも続けていきたいと思っています。私の原点ですから」

―このストリートライブが縁でスカウトされたのがデビューのきっかけだそうですね
「上京後にバンド活動をしていたのですが、当時のバンドでは演歌禁止令?が出ていましてね(笑)。中学生の頃から歌謡曲に傾倒していましたから、NHKのど自慢(山口大会)でチャンピオンになった時には当然スカウトされるもの―なんて勝手に思っていましたね。でも結果むなしく、その時の悔しさをずっと引きずっていました。それ以来“絶対歌手になってやる!”、そんな思いが日に日にメラメラと出てきまして…。ただ、デビューまでは凄く不安があったことは確かです」

―2017年には公共施設などで活動できる「ヘブンアーティスト」(東京都が実施する大道芸人公認制度)の音楽部門ライセンスを取得されたそうですが
「やっと(受講の)チャンスに巡り合えて昨年念願が叶いオーディションを受けました。100人以上の応募の中一人15分のパフォーマンスで審査を受けるのですが、何とか合格できてほっとしているところです。合格したことで都内はもちろん、全国各地のいろんな場所(地域の公園やイベントスペースなど)で芸術活動が出来ますし、特にストリートライブではお客様と近い距離でスキンシップができるので心が温まります。『歌のお手紙を直接お客さんに届けて下さい(作詞家・故人阿久悠先生)』の言葉を今も大切にしています」

―海外での活動も顕著ですが今後のご予定は
「これまでに中国や台湾、東南アジアの他、ハワイやロシアにも出向きました。これからも積極的に海外に進出していきたいです。今年の4月10日にはストリートライブではないのですが、作曲家でシンガー・ソングライターの杉本眞人先生をメインに森山愛子さんと台湾でのジョイントコンサートを予定しています」

―シンガーとして新たな事へ挑戦したい、そんな願望があるのでしょうね?
「自分の歌を見つめ直す事もそろそろ必要では…そんな事も視野に入れています。一杯いろんな事へチャレンジしていきたいですし、演歌・歌謡曲をベースにファドやカントリーミュージックにも挑戦してみたいとも思っています」

―アルバム「あさみのうたシリーズ」を定例発売されていますが
「もう9枚をシリーズ化していますが、今後も新たなシリーズ作りを模索しています」

―プライベイトではお子様も誕生されましたが歌と子育ての両立についてはどうですか?
「正直、両立はなかなか難しいですが子供がいるから頑張れる!、そんな思いもあります。とにかく毎日がバタバタです」

―先日の「KOBE流行歌ライブ」では義母が作詞された「いとし子よ」を歌われましたが感動の作品ですね
「この作品は前作『出さない手紙を書いてます』のカップリング曲です。義母ががん宣告を受けてから生まれてくる孫(息子の大和くん)のために残してくれました。残念ながら孫を抱くこともなく生まれて1週間後に79歳で永眠しましたが、生まれたばかりの息子の写真をメールで送りましたし、泣き声も電話で聞いてもらいました。ほんとうに強い母でした。いつもライブなどでリクエスを頂きますのでこれからも大切な1曲として歌っていきたいです」

*記者のひとこと*
あさみちゆきの原点は井の頭公園でのストリートライブに代表されるようにギター1本によるライブだ。そんな彼女をメディアは「公園の歌姫」と命名した。上京後はバンドを組み活動していたが「どうしても歌謡曲を歌いたい」と念願だった歌謡曲路線の模索を始めた。インタビューでは「暗い歌が大好きなんです」という言葉がしばしば聞かれた。新曲「四畳半の蝉」はまさにそんな暗い歌の代表だが、詞といい旋律(特に昭和生まれには)といい昭和の匂いがビンビン伝わってくる。最近めっきり減った世代を越えてアピールできる歌手になってほしいし、またなれる歌手の最先端にいる1人、と確信する。同時に古いものを残しながら新しいものにも挑戦してほしいと願っている。
KOBE流行歌ライブ(1月18日)終演後1人の男性が呟いた。「彼女の歌は耳に届く前に心に届く」と、会場を後にした。

インタビュー&photo:金丸

 
*2018年3月1日(木)BSジャパン「徳光和夫の名曲にっぽんコンサート」出演予定 
*2018年3月24日(土)「あさみ ちゆきコンサート~あさみのうた~」東京・府中の森芸術劇場ふるさとホールにて開催!
(開場14:00 開演14:30=ギター2本勝負…ギターと あさみ ちゆき/開場17:30 開演18:00=トリオで聞かせる…あさみ ちゆき)
*2018年4月30日(月・祝)「あさみ ちゆき アコースティックコンサート in 名古屋 vol.5」愛知・東海市芸術劇場にて開催!(開場13:30 開演14:00)

*<主なスケジュール>詳細はあさみちゆきオフィシャルホームページをご覧下さい
http://www.chiyuki.jp/

あさみ ちゆき「四畳半の蝉」