◎瀬口侑希 ドラマチックに歌い上げる新曲「雪舞い岬」メッセージ

◎ インタビュー

前作「津軽の春」がベストカラオケ賞を受賞し、今なおカラオケファンの愛唱歌としてロングヒットを続けている日本クラウンの瀬口侑希。その勢いで11月1日に発売した新曲「雪舞い岬」(作詞:石原信一/作曲:鈴木 淳/編曲:前田俊明)も好ダッシュを見せるなど“瀬口演歌”が大輪の花を咲かせようとしている。前々作の「八尾しぐれ」からコスチュームをドレスから着物にイメージチェンジ。その着物姿もすっかり板に付いてきた。2年後に控えた20周年を視野に入れた模索も始まった瀬口に新曲への思いや20周年への思いなどを聞いた。

―前作の「津軽の春」はカラオケファンにかなり浸透しているようですが新曲「雪舞い岬」も好評のようですね
「お蔭様で、新曲は発売以来好調です。サウンドスキャンジャパンの演歌/歌謡曲ヒットチャートで第1位(10月31日~11月6日)、オリコンの演歌・歌謡曲週刊ランキング(11月13日付)で第3位というスタートでした。演歌・歌謡曲ファンに支持されているようですが、前作『津軽の春』とともに歌っていて心地良いのがヒットの要因だろうと私なりに思っています。新曲については今回初めて作曲をお願いしました鈴木 淳先生から『情景を思い浮かべながらスケール感を出しなさい』などの猛特訓をして頂きました。結果、クオリティーの高い、そして演じてもらえる作品になったと思います。当初は少々不安もありましたが、反面手応えもありました」

―作曲家・鈴木 淳さんの作品は今回の新曲が初めてですか?
「前々作『八尾しぐれ』は聖川 湧先生、前作『津軽の春』は水森英夫先生、そして今回の新曲は鈴木 淳先生と、ここ3作は初めてづくしで正直息つく暇のない状態でしたが、色んな引き出しを出して頂き感謝の気持ちで一杯です。私は作曲家・桜田 誠一先生の弟子としてデビューから10年は先生の作品を歌ってきましたが、その後は違う先生の作品でしたので私の中では気分的に落ち着かない面もあったことは確かです」

―新曲は3連リズムの作品ですね
「3連の恋の歌は初めてです。恋を失くした女が一人、春を訪ねて汽車に乗り北へ北へと向かう宗谷岬を舞台にした旅情演歌です。作品をいただいた時は何かキュンと来る感じがしましたね。それと、CDを聞いて下さった方からライブ感が出ている、そんな声を聞き大変嬉しかったです」

―衣装をドレスから着物にイメージチェンジして今回で3作目ですが素敵に着こなされていますね
「最初はスタジオに洋服と着物を持ち込み、どっちにする?なんて葛藤もありましたが、スタッフの評判は着物の方が良かったですね。私自身も3作までは何が何でも着物でいこう、そんな思いがありました。分かりやすいオーソドックスな演歌で勝負したい、それなら着物で―。そんな狙いもありましたし、背伸びしないでサラッと自然体で歌えるので着物で正解だったように思います。着物を着るようになって1年半、何とか一人で着こなせるようになり、勉強にもなっています」

―カップリング曲に黒木 憲の代表作「霧にむせぶ夜」(鈴木 淳作品)を収録されていますが
「この曲は以前からカバー曲として発売する方向で準備をしていた作品なんです。当時は鈴木先生にレコーディングにも立ち会って頂きましたが、諸事情もあってお蔵入りになっていました。今回改めて(歌の)レコーディングをしましたが、オケ(演奏)は10年前に録ったものです。でも、大変気持ちよく歌わせて頂きましたし、この作品との出会いには色んな運命があった様にも思います」

―今年デビュー18年目。そろそろ節目の20周年になりますね
「歌謡界は年々厳しくなっています。とにかく実績を挙げることが大切です。ここ何作かは多くのカラオケファンの方々に歌っていただいておりますが、理由はどうあれ歌ってもらわないと売れない時代ですし、演歌・歌謡曲はカラオケファンに支えられているといっても過言ではありません。この18年間はきめ細かいキャンペーンに奔走してきました。今考えると決して無駄ではなかったと思いますし、一つひとつの積み重ねだと思います。着物にしてからヒットチャートのランキングで1位になったことはとっても感慨深いものがありますね。これまでの中で想像もしなかった正直な気持ちですし、考えていた理想以上かも知れません。ぼんやりと描いていたことが現実味を帯びてきたように思います。NHKの『ごきげん歌謡笑劇団』の『愛のドレミファ3人組』で“さすらいの歌姫”として4年間出演させて頂いて瀬口侑希の名前がそれなりに浸透したと思います。2年後は20周年。夢にも思っていませんでしたが、出来るならば地元の神戸や大阪でのコンサートが実現出来たらいいなと思っています」

なお、2018年12月8日(金)大阪・朝日生命ホールで開催される「歌う王冠ライブ」に出演するほか、アルバム「瀬口侑希 プレミアムベスト」(12月13日)も発売する。

*記者のひとこと*
カラオケ―日本が生んだ20世紀最大の娯楽文化といっても過言ではない。演歌・歌謡曲の市場がぐらつき始めた頃に産声を上げ演歌・歌謡曲市場を救った。つまりこのカラオケが市場の追い風になったことは昭和の時代を経験した業界人であれば誰もが認めるところだ。ひと昔は有線放送、呑み屋、そしてカラオケという連想が有効不可欠だった。そこに演歌の温床、つまり歌いやすく覚えやすいという環境が生まれ、カラオケ向きの歌がしっかり根付いてきた。前々作からそんな作品をスタッフと瀬口がともに戦略的にトライしてきたのであればお見事である。ドレスから着物にイメチェンしたことも後押しした。演歌歌手だから和服が似合っても不思議ではない。また、NHKで4年間レギュラーとして出演したことも瀬口ブランドを全国にしっかりと高めた。そんな瀬口ももうデビュー18年。そろそろ中堅の域に入る。ちょっぴり遠回りはしたが、ようやく大きな波がうねり出した。この波にしっかり乗り切れば安定感が増すだろう。一気呵成に、そんな言葉を送りたいネ。

インタビュー&photo:金丸

 
*<主なスケジュール>詳細は瀬口侑希オフィシャルホームページをご覧下さい
http://www.crownmusic.co.jp/artist/seguchi/si4.html