◎ 北野まち子 新曲「風笛の町」で繋ぐ30周年も王道演歌を極める!

◎ インタビュー

女性演歌陣の中にあって確実に進化を遂げている一人、北野まち子。
安定感のある歌唱力、直向に、真摯に歌に取り組む姿勢。業界人の一人としても応援したくなる存在だ。その彼女も来年はもう30周年を迎える。敏腕プロデューサー・馬淵弦三氏(故人)のプロデュースによるデビュー曲「包丁一代」は今なお彼女の代表作として歌い継がれている。

最新作「風笛の町」(作詞:麻こよみ/作曲:岡 千秋/編曲:南郷達也)も絶好調の北野。「これからも王道演歌を極めていきたい」という。そのためにも評判のいい今回の新曲をジャンプ台にしたいと熱い思いを語る。9月21日に開催されたvol.156「KOBE流行歌ライブ」の出演の合間に楽屋でインタビューした。


―新曲「風笛の町」が好評のようですが、作品への思いや状況をお聞かせください
「発売と同時に想像以上にいいスタートが切れました。一口でいうと順調に推移しています。仕事柄どうしても旅に出る事が多いのですが、行く先々で直接ファンの方々から『取っ付きやすい作品ですねぇ~』という評価を頂いております。つまり歌いやすい、ということでしようね。作品的には北の町で淋しさを抱えながらもくよくよしてはいけない、そんな前向きに頑張っている芯の強い女性がテーマです」

―北野さんといえばデビュー曲「包丁一代」が余りにもインパクトがあり力強さが前面に出た作品だったので、前作同様に演歌好きの方には少し物足りない、そんな印象があるように思います。多分制作サイドには演歌のメインターゲットであるカラオケファンを意識した様に思います。しっとりとしたテンポ感にそのヒントがあるように思いますが
「そうなんです。デビュー曲の「包丁一代」が余りにもパンチがあり元気のあった作品でしたので自分の中にも物足りないという意識はあることも事実です。でも行く先々で聴いてもらって歌ってもらって満足してもらっている、そんな事も感じています。でも、今の時代はカラオケファンの方にまず歌ってもらうことが先決ですし作品のブランドを高めてもらうのが基本ですので無視することはできません。こんな歌も歌えますよ、と少しでも親しみ感を持っていただければ幸いですし、この作品で北野まち子の違った面というか新たなカラーを出していけたらと思ってます。でも一カ所だけですが♪愛していながら あの人と…のフレーズはちょっぴり難しく作られています」

―ここ数年の傾向としてカップリング曲もクオリティが高いように思います。今回のカップリング曲「そのうち一度帰ります」は郷愁漂う作品になっていますね
「そうですね。この歌を歌うと改めて故郷や母、兄弟を思い出しますね。歌詞のそのうちそのうちでは悔いが残りますね」


―ところで、平成元年のデビューから来年3月には30周年を迎えられますが、浮き沈みの激しい歌謡界の中にあって順風満帆とはいかなかったと思います。改めて30年という一つの区切りを迎えるに当たってどんな気持ちですか?
「振り返ってみるとアッという間の30年でしたね。ただ、自分一人で頑張ってきたのではなくスタッフの皆さん、そして私を応援して頂いているファンの方等、いろんな方々の応援があったからこその30年です。デビュー当時は正直20年、30年なんて考えてもみなかったですね。勿論、挫けたこともありましたが、ここまで頑張ってこられたのは日々を大切にそして積み重ねてきたことだと感謝しています」


―30周年に向けて何か予定はありますか?
「まだ特別な事は考えていませんが、出来るならば応援して頂いた皆様と一緒に30周年を祝いたいとの思いです。30周年の冠を付けたコンサートも勿論、視野に入れたいと思ってます。あくまでも目標ですが、昔、新宿コマ劇場に連れて行ってもらった事がありました。歌ありお芝居ありのステージに感動した事を覚えていますので、実現できれは一度お芝居にも挑戦してみたいですね。25周年の時に一度でしたが、立ち回りを経験したことがあります。とっても楽しかったのを覚えています」

―演歌界は「地道なキャンペーンなくしてヒットは生まれない」といわれています。北野さんはそれを忠実に実践している一人ですがこれからもこのスタイルを踏襲していかれますか?
「勿論です。演歌のメインターゲットは中・高年齢層です。待っているだけでは市場は活性化しませんし、商品も売れません。ならばファンの方々の近くまでこちらから出向くしかありません。そうすることでお客さんの声がダイレクトに伝わります。同時にスキンシップが図れますのでこれからも続けていきたいです。また、いろんな方々との触れ合い、そして出会いもあります。そんな日々が楽しくてしょうがないですね。これからは健康面にも気を付けて行きたいと思います」

*記者のひとこと*
歌世界はデビュー曲でいきなりスターの座を獲得する人、じっくりと時間をかけながら盤石な基盤を築いていく人、このどちらかだが北野まち子は典型的な後者である。デビュー曲「包丁一代」という楽曲が今も北野の財産として残っているし、これからも残っていくであろうと想像する。メディアを使って一気呵成に頂点を目指すのもスターへの近道であろうが、時間をかけてもコツコツと地道なキャンペーンをしながら頂点を目指す、それを忠実に実践している。ただ、ここ何作か本来の北野まち子の持ち味がないのが淋しい。この背景にはインタビューの中にもあったが、カラオケという存在が見え隠れしている。勿論、「売ってなんぼ」の世界でありカラオケファンに依存するのも1つの戦略であることは否定はしないし百も承知だが、今の演歌界を見るとカラオケの功罪である。この殻を破らないと本当の演歌隆盛は来ない。あの力強い歌はどこに行ったのか?北野には王道演歌をとことん極めてほしい、と願ってやまない。

インタビュー&photo:金丸

 
*<主なスケジュール>詳細は北野まち子オフィシャルwebサイトをご覧下さい
http://www.machiko-k.com/

北野まち子「風笛の町」