「気が付いたら演歌しか歌えなかった」。
デビュー2年目とまだホヤホヤの新人だが、演歌・歌謡曲のレパートリーは1000曲というテイチクエンタテインメントの若きエース・三丘翔太。デビュー曲の「星影の里」に続くセカンドシングル「虹色の雨」(作詞:里村龍一/作曲:水森英夫/編曲:石倉重信)を発売した。デビュー曲では素朴で郷愁を誘う正統派演歌に挑戦したが今回は一転、女性演歌に挑んでいる。

何かと感化されやすい10代はポップスやロックには目も触れずひたすら演歌一筋とまさに演歌少年だった。NHKのど自慢でチャンピオンになったこともある。デビューのきっかけはカラオケ大会でヒットメーカーの作曲家・水森英夫氏にスカウトされたことだが、カラオケ喫茶を営む祖父母の影響が大きいらしい。

さて、好評の新曲「虹色の雨」は酒場で一人淋しくグラスを傾ける女性の姿を歌っている。
「新曲は少年から急に大人の世界に挑んだ初の女性演歌です。大人の世界ということでレコーディングは苦労の連続でしたが、自分ではこんな作品にトライさせていただき嬉しいし僕の中ではひと皮むけた、そんな印象ですネ」と新曲について語る三丘。ギターの旋律が心地よいデビュー曲とは異なりテンポ良くしかもメリハリを効かせたまさに水森演歌の真骨頂といえる作品に仕上がった。

今回も発売と同時にキャンペーンで全国行脚の毎日だが、イベントでは「翔太のお品書きライブ~ご注文お決まりですか?~」と銘打ってお客さんからのリクエストに応え昭和の名曲を披露するコーナーが大人気。お品書きには、艶もの、三拍子(ワルツ)、股旅、ブルース、セット(ハーフ&ハーフ)、名曲、東京、雨、お飲みものーといったメニューがある。例えば艶ものには「おんなの宿」「さざんかの宿」、名曲には「上海帰りのリル」「おゆき」、お飲みものには「涙の酒」「おもいで酒」といった具合。

「自分のオリジナルを残していきたいし、また一方では偉大な昭和の名曲を次の世代に伝えていきたい、そんな役割もあるので1曲1曲を大切にしていきたいと思います」と新人らしからぬ言葉。つまり彼がいいたいのは「いい作品を継承すると同時に新たな名曲作りにも挑戦していきたい」のが目標らしい。昨年9月にはファーストカバーアルバム「翔太のお品書き」を出した。「お月さん今晩は」「かえり船」「なみだの操」「夢追い酒」など全12曲を収録した。

*記者のひとこと*
小柄だが全身を使って歌う姿が実に凛々しい。トレードマークになった蝶ネクタイの数はもう100本を超えるという。オリジナルでしっかりと土台作りをしながらモチーフでもある昭和の名曲を自分流にとことん追求し、後世に継承したいのも彼の挑戦の1つでもある。先日、彼の生ステージを大阪で初めて観た。「歌は生が一番」―ステージを観てそんな印象が強烈に脳裏をかすめた。まだ弱冠23歳。急がなくてもいい、じっくり目標に向かって前進してほしいネ。