シンプルな正統派演歌だが演歌好きのカラオケファンならきっと飛びつきそうなのが徳間ジャパンコミュニケーションズの市川たかしの新曲「おんな傘」(作詞:千倉案稀/作曲:幸 耕平/編曲:丸山雅仁)。「こんな路線がこれから定着するのではないか」とこれからの演歌の方向性を暗示する市川。このほど久々に関西地区でキャンペーンに取り組んだ。

人気の長寿ラジオ番組「走れ歌謡曲」の40周年企画のオーディションで見事優勝(2006年)を機に2007年に青春歌謡「だからさよなら言わないで」でデビュー。約3年のブランクがあったものの2012年に発売した「夕霧草」で再出発した。今回の新曲はその「夕霧草」の延長線上にある演歌色の強い作品となった。
「とっても気にいってるんです。こういった作品が歌いたかったしカラオケユーザーの好きな路線に戻しました。今の心境はやる気マンマンです」と意気込む市川。ビジュアル面でも新たな模索を始めた。それが今や特技となった日舞を生かした着流しスタイル。新曲のジャケットではその着流しが実に凛々しく映る。取材でもジャケットさながら着流しでの対応となった。もちろんステージでもこのスタイルを通す。
「着流しは若手では珍しいと思います。しっかりと定着するまでこのスタイルを通したいですね」とこれから着流しを市川たかしのブランドにしていきたい考えだが、数年前からファンクラブ向けのイベントでは着流しに日舞を加えたステージでファンを魅了してきた。その華麗なステージを観て「お、いいねぇ」なんて呟いたものだ。

その市川も早いもので今年デビュー10周年を迎えた。
「もう10年…そんな思いですがただがむしゃらの10年でしたね。親の影響もありますが、演歌歌手になるとは思いませんでした。色々な路線を経験してきましたがこれからは演歌でも誰もやってない、そんな路線を目指したいです。ただ、今の心境はしばらくは今回の新曲のような路線で進みたい、そんな願望です」と優しい眼差しで抱負を語った。

*記者のひとこと*
市川たかしはレコードメーカー期待の新人だったと記憶している。しかし、この世界は実力があっても「売れてなんぼの世界」という厳しい業界。今回、着流しという新たなスタイルでの登場に注目が集まっている。ビジュアル面で歌謡界に風穴を開けるのも1つの戦略であろうが、同時にキメの細かいキャンペーの徹底がどこまで出来るか、その辺が今回の新曲の分かれ目になると見た。