古いものを残しながら新たなチャレンジが見え隠れする―
湯原昌幸の新曲「北街・辛口・恋酒場」(作詞:宮田純歌/作曲:湯原昌幸/編曲:石倉重信)を聞くとそんな思いがする。一世を風靡したエレキのベンチャーズが和に挑戦して大ヒットさせた「京都の恋」(歌・渚ゆう子)を再現したいと意気込み、同時に「古稀の記念盤と位置付け気持ちよくやればいい」と笑顔を見せた。
新曲は当初カップリング曲として制作したが「70歳の元気を出すにはこの作品がいい」と自ら推したものの最初は反対された。が、湯原の熱意に制作サイドが折れA面となった。そのためA面用に制作した作品はしばらくお蔵入りとなる。

新曲は演歌色の強い旋律といい、浮世絵をあしらったジャケット写真といいどことなく和を意識した作りだが、出だしの♪暮れ六つの~という歌詞に何となく興味をそそる。江戸時代までの時刻法のひとつで夕方の6時頃のことらしい。「この言葉でイメージが沸きましたね」。まだある。イントロで鳴る鐘の音、そして琴や笛、鼓等の和楽器をふんだんに入れたのも拘りのひとつだ。
「これも今回の新曲制作にあたっての拘りだったんです。イントロの鐘の音は最初はディレクターに却下されましたが、どうしても入れてほしいと懇願したんです。自分でできるジャンルは試せるうちにやりたいと思うし、今回は適度な遊びも入ってます」と最初から最後まで湯原ペースというか、わがまま?で進んだようだ。

新曲発売の度にキャンペーンで全国行脚を敢行していて今回は大阪からのスタートとなったが、行く先々で♪暮れ六つの~という歌詞が話題になっているという。「もうそれだけで十分でしよう。作品がヒットするには80~90%が詞の力なんです。詞の力で創作意欲を沸かしてくれるのが好きですね」と詞の内容がヒットを左右すると力説する。

九州エリアでは大衆演劇の座長がこの作品を聴いて「是非踊ってみたい」―そんな朗報も舞い込んでいて、10月頃には実現しそうだ。

7月20日(木)には「KOBE流行歌ライブ」vol.153に島津悦子、大江裕らとの出演が決まったが、新曲「北街・辛口・恋酒場」では以前踊りを披露していた天羽会 天羽流・桐流の二代目・桐魁佑(きりかいゆう)氏が華麗な新舞踊を披露してくれることも決まった。