「いつまでも歌で元気を届けたい」―昨年デビュー40周年を迎え益々芸に磨きがかかっているテイチクエンタテインメントの川中美幸が先頃、新曲「あなたと生きる」(作詞:田久保真見/作曲:弦 哲也/編曲:前田俊明)を出した。40周年記念行事も大阪・新歌舞伎座での座長公演で完結したが次の目標である45周年、50周年に向け自身にムチが入る。来阪を機に新曲への意気込みや将来の夢等、いつもの笑顔で語ってくれた。

ステージで豪快に笑い飛ばす様はもう川中美幸の専売特許?といっていい。そんな川中に40周年の思いを聞いた。
「今年はもう41年目。いつもながら頑張らなくては、と自分に言い聞かせている。毎年自分も楽しんでいるが一方では色んな課題も残していた。でもいつも興味と好奇心、そして夢を持ち続けていた」と前向きに、そして貪欲に芸道を歩んできた。
勢いを付け出世作にもなったのが最初のミリオンセラー「ふたり酒」だった。そしてカラオケファンの必須曲にもなったのが2作目のミリオンセラーとなった「二輪草」。ともにヒットメーカー・弦 哲也氏の作品である。そんな弦氏を川中は「川中美幸があるのは弦先生のお蔭です。弦先生とは同士であり妹でもあるんです」と弦氏との仲をそう表現する。

そんな川中が歌う作品をいつの間にか「幸せ演歌」と呼ぶようになった。最新作の「あなたと生きる」も親しみやすく明るい声で優しく包み込んでいくテクニックは川中ならではの持ち味。
「夫婦がテーマですが、あなたの大切な人だから、そんな思いで聴いてもらえばいいと思います。この新曲は20代、30代では表現できない。今だから歌える作品です。人生の応援歌といってもいいでしょう。この作品をもらった時、父親が生きていたら40年間よう頑張ったな、といってくれると思いました」

2月には川中美幸が日本の遺した風景や心を歌う「美幸のうたの旅シリーズ」の第一弾として「津軽さくら物語」(作詞:齋藤千恵子/作曲:板橋かずゆき/編曲:田代修二)を発売した。5年前に自ら始めた「バーまいどおおきに」で出会った盲目のシンガーソング・ライターの作品でちょうど歌い手を探していたところに川中が偶然に出会って「是非」とCD化が実現した。シリーズ化の方向で自らを磨く発奮剤にしたいらしい。

また、いま取り組んでいるのが出前コンサート。大劇場ではなく400~500人程度の会場に出向きステージをこなすという試みだ。すでにいくつかの会場を訪問したが好評につき全国的展開を視野に入れたいと張り切っている。遠方まで足を運べないファンへの恩返しでもある。
「高齢化社会の中にあってアピールできる作品を歌うのが私の使命だと思う様になった。それぞれのポジションで私の等身大の歌をメッセージとして送ればいい、そんな思いです」
コンサート会場ではこれから積極的にCDの即売会にも立ち握手会も行う。色紙は印刷ではなく全て手書を用意する。

厳しい演歌界にいま必要なのは何でもいい、事を起こすことが急務のように思う。そういった意味でももうキャリア、実績ともに文句の付けようがない川中が率先して演歌市場の活性化に動き出したことに拍手を贈りたい。