テイチクエンタテインメントのすぎもとまさと(シンガーソングライターとして)が新曲「別れの日に」(作詞:門谷憲二/作曲:杉本眞人/編曲:美野春樹)を発売。このほどメディアキャンペーンで来阪した。「2017年は作家として色々と仕事をしたい、そんな思いでスタートした」と今年は作曲家活動(杉本眞人として)に比重を置く考えを示唆した。また、1月に発売した新曲「別れの日に」については「売れた方にいいが、売れる売れないはひとまず置いて世の中に伝わってくれればいい」と語った。
紅白のキップを手にした最大のヒット曲「吾亦紅」はもう発売して10年になるが今なおカラオケの必須曲として大人気だし、すぎもと自身「ライブでは絶対に欠かせない作品になった」と笑みがこぼれる。今年は作家活動に力を入れたい、と宣言はしたもののシンガーとしての人気は衰えるどころか逆に増す一方だ。

好評の最新作は昨年9月に同社から発売したニューアルバム「Route67」の中からのシングルカットで14曲中7曲が新作。その中からすぎもと自身「当初からシングルカットしたいという思いがあった」と打ち明ける。 
♪大した男じゃなかったけれど 静かにお前を愛した
俺にしかない 歴史といえば お前と生きたことだけ… 
と面と向かってはなかなかいえない、そんな思いが込められた熟年夫婦に贈るメッセージソングだ。
「いい感じで売れているようだ。この歌は普段着のままの作品で奥さんにこの作品を聴かせてあげたら夫婦喧嘩はないよ。(笑い)これからも飾らない等身大の自分を出したいね」と作品への思いをそう語るすぎもとに、「奥さんはどんな反応だった」―と水を向けると「何の変化もなかったね」と苦笑い。「吾亦紅」同様にすぎもとと同世代をメインターゲットにしていきたいと強調する。 

一方、作家としての人気も不動。「お久しぶりね」「今さらジロー」「かもめの街」「ベサメムーチョ」等々、ヒット作品は枚挙にいとまがない。以前にも増して作家としての引き合いが増えている。
「とにかく今年は作曲家・杉本眞人を前面に出したいね。時代は氷河期だからいい作品を世に出すことが大切なんだ。歌もまだ歌い続けたいが俺もいい年だしいつまで歌えるかがテーマなんだよ」と話が核心に入ると複雑な心境が見え隠れする。
「若い人はダウンロードだし音楽の流通も変化が見られる。ゆっくりと落ち着いて音楽を聴く環境は確実に少なくなっている。俺は俺と同世代に向けた歌作りをこれからもしていきたい」と結んだ。

*記者のひとこと*
日焼けした顔にサングラス。オールバックの髪に白いものもめっきり増えてきた。シンガーとして、またライターとしてその人気を全国区にしたのがあの名曲「吾亦紅」だ。イニシャルがたったの256枚。本人も発売元のレコード会社もノーマークだった。10年も経てばほぼ廃盤になるが、「吾亦紅」は今なおCDショップの店頭に並ぶ。亡き母に捧げたその「吾亦紅」といい新曲「別れの日に」はともにしんみりとしたバラードだが、歌に濃い目の色合いでメリハリを効かせた作品がすぎもとの一方の特長でもある。もう67歳(今年68歳になる)のおじさん?になったが、ライターとしての引き合いは増えるばかり。これからもいい歌を歌い、そしていい歌を創ってもらいたいね。ひょっとしたら流行歌の救世主のトップランナーに躍り出るかも知れない。歌への情熱と感性は今なお健在だ。