演歌は歌い手の姿を観ながら聴くのもいいが1人で一杯呑みながら静かに聴くのもいい。
1年ぶりの新曲「星の川」(作詞:たきのえいじ/作曲:あらい玉英/編曲:前田俊明)を発売したテイチクエンタテインメントのエドアルドの作品を聴くにつけそんな思いが脳裏をよぎる。

新曲は期待を裏切ることのない、まさに魂を込めた作品に仕上がった。祖国で演歌が好きだったという叔父の影響で演歌に興味を持つようになり「浪花節だよ人生は」を聴き演歌の魅力に引き込まれた。26歳で来日して7年。「これまで自分を励まし支えて頂いた方々にいい歌を歌い恩返しをしたい」と流暢な日本語で意気込みを語った。

来日後はアルバイトをしながら生計を立て念願の演歌歌手としてデビューにこぎつけた、という苦労人だ。新曲はデビュー作同様に母への思いを切なく歌ったものだが細部まで妥協を許さない完璧な歌唱力で包み込んでいく様は圧巻の一言。新曲の候補には数曲あったらしいが母ものに落ち着いたらしい。

「新曲は自分の思いではなくディレクターの思いから母ものになった。自分としては母ものに多少の不安もありましたが母親には希望を与えてもらった」というエドアルド。育ての母に愛情タップリに育ててもらった。ただ、若い世代に詞の内容が伝わるかどうか一抹の不安があるようだ。

来日してデビューまでの5年間は修行期間だったと述懐するエドアルド。「地球の裏側から来日して大きな夢を追い続けている自分に何の縁もない沢山の人に支えられそして勇気づけられていることに大変幸せを感じています。いずれは日本で永住権を取ってこれからも大好きな演歌を一生懸命歌っていきたいです」と真剣な眼差しでそう語る。

言葉を選びながらというより自分の思い考えをストレートに話す情熱は説得力がある。因みにデビュー曲「母きずな」の原点は「岸壁の母」だ。演歌なら全て好きらしいが、とくにセリフ入りの作品が好みでもある。

*記者のひとこと*
デビュー当時はそれほど気にしていなかった歌い手だったがあるテレビの歌番組で彼が熱唱する姿を観て一度会ってみたい、そんな思いがありこのほど大阪で実現した。歌唱力は誰もが認めるところだろうが歌唱力に加えスケール感でじっくり包み込んでいく姿は半端ではない。デビュー曲、そして今回の新曲はともの彼の持ち味を十二分に発揮した作品と見た。ただ、最近の演歌作品は野球に例えるならバットを短く持ち正確にコツンと当てて短打を狙う作品が多い。つまりカラオケを意識し過ぎだが、エドアルドにはそんな作品で勝負してほしくないね。三振してもいいから大振りして大ホームランを狙ってほしいね。そのためには豊かな感性を更に磨き自分流の演歌道を貫いてほしい。