◎ 新曲「東京の夜は淋しくて」動画メッセージ

◎ インタビュー


音楽業界に携わっていると絶えず気になる歌い手が何人か存在する。その一人がホリデージャパンの西山ひとみだ。どんな歌を歌い、どんなステージを見せるのか、全くといっていいほど知らなかったが、3年前に大阪で開催されたホリデージャパンのコンサートでようやく西山の実力を知った。「隙のない歌い手だなぁ…」―ステージを観た第一印象である。キャリアはもう29年とそろそろベテランの入り口に差し掛かったが、何故か野球で言う決定打がない。コンスタントに3割を打てる逸材であることは間違いないが、ロングヒットを続けている「小島の女」という話題作があることはある。ただ一部のカラオケユーザーには相当浸透はしているが、まだ十分とは言えない。そんな西山が前作「大阪・あんたの街やから」に続く待望の新曲「東京の夜は淋しくて」(作詞:仁井谷俊也/作曲:徳久広司/編曲:藤井弘文)を昨年10月19日に発売し、インタビューがようやく実現した。


 ―前作の「大阪・あんたの街やから」は作品的にクオリティーが高く聴く側にもそれなりのインパクトがあった。いい結果が出たのでは?

凄い手応えがあったことは確かです。それと同時にしっかり多くの皆様に歌ってもらっているという実感もありました。徳久広司先生に何回も手直しをして頂き完成しました。この作品のお蔭で「西山ひとみ」というブランドも随分浸透したし、新たなファンも獲得できたと確信しています。また、色んな相乗効果も生まれました。その一つに、この作品を出してから第一興商さんのカラオケ(DAM)にホリデージャパンレーベルで出したシングル作品のカップリング曲がほとんど入りました。歌い手にとっては最高の喜びです。


―その「大阪・あんたの街やから」に続く待望の新曲「東京の夜は淋しくて」が発売され、一人で都会の夜を過ごす女性の心情が描かれているが、作品を貰った時の印象や歌った時の印象は?

1年8か月ぶりの新曲ですが、4曲ほどの候補曲からこの「東京の夜は淋しくて」とカップリングの「冬のこおろぎ」がすんなり入りやすかったという理由もあり新曲に決まりました。私の声のイメージから切なくしっとりと歌う方がいいし、何故か辛い心情を歌うのが私には合っているようにも思います。明るい作品も大好きなんですが、何故か淋しい曲調が多いですネ。

詞的には、悲しんでいるのですが他人から見るとゾクっとするようないい女性を想像しますね。失恋しているがいい女性を想像しながら歌っています。前作「大阪・あんたの街やから」と今回の新曲は共に男が女から去っていく…そんな内容ですが、大阪版と東京版の違いですかね。私はどちらかと言うと大阪的な感覚です。この新曲についてある作家の先生から「かなりリアルな性的描写があり、男女のいい雰囲気を想像させる作品である」―そんな感想を頂きました。

―ところで、15年前に発売した「小島の女」が今なおカラオケユーザーに支持されている。作曲家の徳久広司さんがこの作品を聴いて「西山ひろみに是非書きたい」とオファーがあったと聞くが?

そうなんです。最初はホリデージャパンではなく他社から発売されました。これまで発売する度に廃盤になっている作品なんですが、いつの間にか蘇るんです。ず~っと命が続いているんですね。本当に怖いくらいの生命力のある作品ですし、歌えば歌うほどスケール感の出る作品なんです。私の中では永遠の作品と位置付けています。セールス的にもダントツですね。


―今回の新曲で西山ひとみの世界観が鮮明に見えてきたように思う。髪を短くしたのもその表れ?

そうですね。しばらくはこの路線をベースにしていきたいです。女の泣き歌が自分の持ち味ではないかと思っています。髪を切ったのはプロデュースして頂いた方の要望でもありましたが、しばらくはこのスタイルで行きたいと思います。

―西山ひとみの違った一面が出ているのが’88年に発売した演歌色の強い「わたしの連絡船」。演歌ファンの受けがいいように思う。お洒落な都会的な作品もいいが、これからもこんな作品も歌っていく?

ど演歌といわれる作品も大好きなんです。アルバムの中にもこうした演歌色の強い作品を収録していますが、歌っていて全く違和感はありません。演歌色の強い作品と都会的な作品の二つの世界を歌っていきたいです。

*記者のひとこと*
昨年の3月頃だったと記憶している。日頃から行き来のあるCDショップに立ち寄ったところ店長から「西山ひとみさんの『大阪・あんたの街やから』って知ってます?」といきなり振られた。気に入った一曲だったし「あれいいでしょう」―そんな会話があり、別れ際に「もっと売れてもいい歌手ですよね」と店長の言葉が妙に説得力があったことを覚えている。歌唱力、テクニックなど歌い手にとっての必須条件は完璧だしファンの期待も裏切らない。西山ひとみの様な流行に左右されない安心して聴ける歌の市場がもう少し鮮明に見えて来たら歌謡界も変わるかも知れない。少し遠回りはしたがそろそろ大輪の花を咲かせてもいい材料が揃った。その時どんな褒め言葉で称賛してあげようか。そんなことを思うと今から心がウキウキする。それにしても西山ひとみの何処に創作意欲をかき立てたのか、その理由をヒット・メーカーの徳久広司さんに是非聞いてみたいとの思いがあったが、昨年の暮れ東京で彼女のディナーショーの席上で聞いた。間髪入れずに「あの声だよ…」短い一言だったがその言葉に全てが集約されている。

インタビュアー&photo:金丸

西山ひとみ オフィシャルサイト
http://www.nishiyama-hitomifc.com/