◎ リポート

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歌謡界の中にあってその存在感が際立つキングレコードの真木柚布子。新曲「しぐれ坂」(作詞:下地亜記子/作曲:南郷 孝/南郷達也)の評判がいい。その真木の大阪でのコンサート「真木柚布子コンサート2016 女ひとりの歌語り」(昼夜2回公演)が7月3日、大阪浪速区のフラミンゴ・ジ・アルーシャで行われた。

開演前、新曲にかける思いやコンサートにかける意気込みなどを聞いた―

5月18日に発売した新曲は前作の「助六さん」とは全く異なった路線で、真木にとっては初めて経験するギター演歌に仕上がった。

「そうなんです。前作では遊ばせてもらったが今回はタイプが違うものなんですが、これはこれで評判もいいし全く違和感は感じなかった。ただ、歌が前面に出るのでオケに負けないようしっかりじっくりと情感を込めて歌って下さい」とそれなりに歌い込んで挑戦してほしい、といいたげ。
これまでの作品は真木自身、担当ディレクターらとじっくりディスカッションしながら作品を決めていたが、今回はディレクターの「これで行こう」―のひと言で決まった。

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「私の歌はどうしてもドラマ性のある作品が多いんですが、弦 哲也先生に書いてもらうようになって歌自体に変化が出てきたように思う。歌手として紅白も目標ですが、ステージで色んな経験が出来るのがすごく楽しい。だからどうしてもドラマ性のある作品が多くなるんです」

プロ歌手といえども得手不得手があるものだ。一般的には不得手な作品を避け好きな路線を模索するのが常だが、真木はひとつの路線を固定することはしない。絶えず冒険をしたいのだといういい意味での貪欲さがある。厳しい歌謡界の中にあってしっかりと差別化を図る―そんな意識が根底にあるに違いない。
そのひとつがもう真木の売りにもなっているステージ狭しと動き回り、歌い、踊り、そしてひとり芝居を演じる演歌ミュージカルである。こうしたコンサートは関西方面での開催は限られている。今回の大阪は久々の開催となった。

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夜の部を観た。会場はライブハウス。芝居を盛り込んだステージとしては少々狭いが、それでも花を添えたダンサーらと華麗なステージを見せた。そのダンサーが踊る中、前作の「助六さん」でオープニング。続いてオリジナル作品の中から「ふられ上手」「美唄の風」「大阪ドドンパ」「酒とバラ」などを披露した後、当日の見せ場となったひとり芝居コーナーへと―出し物は「越佐海峡~恋情話」「北の浜唄」「雨の思案橋」の3作品をモチーフに歌い、踊り、ひとり芝居と渾身の演技でステージを盛り上げ、新曲の「しぐれ坂」、真木自身が作詞した「愛をありがとう」、そしてアンコールの「はっぴーサンバ」で終演となった。

本来のひとり芝居は「たっぷり1時間ほしい」のが真木の本音だが、時間の関係や構成上の都合もあり当日は約20分強というダイジェスト版だったが、その臨場感のあるステージにファンは満足したに違いない。
歌を語り、人生を演じ、儚さを舞う―この3行の添え書きを真木自身の活動の目標としている。

*記者のひとこと*
持ち歌を少々濃い目に味付けしながらやや大き目にふくらませていくテクニックは絶品である。多分、在籍していた劇団四季で身に付き培ったものだと、想像する。また、真骨頂ともいえるステージでのひとり芝居は観衆をグイグイと引き込む。歌は勿論、芝居にも細部にまで一点の妥協を揺らさない完璧な演技はお見事のひと言。新曲は「ステージで踊りまくるこれまでの楽曲とは打って変わってほとんど動かず歌うのが特徴です」と自ら語っているようにじっくりと聴かす王道演歌だ。こんな作品も違和感なく聴けるし予想以上に似合う。もっと歌ってほしい、と願っているのは記者だけではない。王道演歌でも輝いてほしい。

インタビュー:金丸

新曲「しぐれ坂」

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真木柚布子 オフィシャルウェブサイト
http://www.yukomaki.com/