◎ リポート

1606_shimizumariko2ひと握りのミリオン歌手と、圧倒的に多い苦戦組の中で、コツコツと自分流の売り方で実績を伸ばしている歌手は多い。その一人がアクトラスレコードの清水まり子だ。デビュー曲の「父娘坂」(作詞:臼井ひさし/作曲:稲毛康人)はカラオケファンの後押しもあり、累計で30万枚を突破した。その勢いに呼応し、新曲「雪哭き津軽」(作詞:近藤しげる/作曲:井上慎之介)がセールスに勢いを増している。

「歌に声にそして気持ちも変化している」と、今の心境をそう語る清水。ちょっぴり遠回りした遅れを取り戻そうと休む間もなく全国を飛び回っている。

「父娘坂」の発売は平成6年10月。候補曲は他にもいくつかあったが最終的にこの民謡演歌に落ち着いた。「こんな作品は売れないなんて陰口もたたかれましたが、歌なんてどんな作品が売れるか分かりませんね。母親が若くして亡くなったこともあり、作品の詩が自分の境遇と一致してレコーディングの時は震えました。寂しい思いの中でも、なにくそ!頑張るぞ!―そんな魂がこの1枚のパッケージに詰め込まれている」とレコーディング当時を回想する。

1606_shimizumariko3あるカラオケ大会に出た時、先輩歌手の三沢あけみに声を掛けられ6年間付き人を経験し、念願のデビューにこぎつけたという苦労人。
「不遇の時代もありましたが、どの時代も楽しく過ごせました。でも、今の40歳代は更に楽しい。年を重ねて気持的には本音で話が出来るようになったし、世間をしっかりとしかも冷静に見るようになったのが、私をそんな気分にさせているのでしょう」。

最新作は昨年の10月に発売した「雪哭き津軽」。軽快なリズムがウリのダンサブルな作品に仕上がった。「この曲は体を動かしながら、とにかく楽しんでほしい」とPRする。コスチュームも洋装に変え、とくにバックダンサー(場合によっては)を従えてのステージは圧巻。まさに新境地を開拓した傑作といってもいい。

「和服を着ない、とは宣言していないし、これからも作品に応じて衣装を変えてみたい」とビジュアル面でもケースバイケースに対応する考え。

1606_shimizumariko1この5月6日には古賀政男記念会館:けやきホールで先の震災で大きな被害をもたらした熊本地震の復旧、復興を願い、日本歌手協会主催のチャリティーコンサートの趣旨に賛同。スケジュール調整して急遽駆け付けた。ステージでは新曲の「雪哭き津軽」をダンサーを従え披露した。

また、念願だったライブ開催を今年4月に東京と甲府市で実現した。
「約100名様のホールでしたが、長年の夢が実現できました。自分ではまだまだ発展途上だと思っているし、背伸びせずに一般目線で自分の持ち味を出していけたらいいなぁと。最終的には“まり子ワールド”を完成することです」と今後は全国展開を視野に入れたライブの実現を目指す。清水まり子にとってライブは自らの活力源にしたい、そんな思惑があるようだ。

「母は45歳と半年で亡くなった。母より少しでも長生きして天国にいる母に私の歌を伝えたい」―取材中、笑顔を絶やさなかった清水が見せたただ1度だけの真顔だった。

*記者のひとこと*
とにかく陽気だ。自ら竹を割ったような性格だと豪快に笑い飛ばす。デビュー後、しばらく鳴かず飛ばずの時代もあったが、ここぞという時に一気に畳み込んでいく情熱的なエンターテイナーぶりは見事の一言。作っても作っても作品の良さが末端ユーザーまで届かないことが多い中、「父娘坂」が脈々と歌い継がれていることは作品の完成度と本人の直向きな努力の賜物だろう。ただ、「父娘坂」は作品として立派に一人歩きしているが、そろそろ清水まり子というブランドを全国区にしたいものだ。そのためには新たなファン作りが不可欠である。

インタビュー:金丸

新曲「雪哭き津軽」が好調!

清水まり子プロフィール

清水まり子 オフィシャルウェブサイト
http://www.actrus.jp/marikoshimizu/